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【リサーチコラム】 ビューティトレンド総まとめ 【2019年版】

December 13,2019

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アイスタイルには、「日本最大のコスメ・美容の総合サイト@cosme(アットコスメ)」の膨大なデータ群を分析し、マーケティングに活用する「リサーチチーム」があります。1500万件を超える膨大なクチコミはもちろん、アクセスデータや意識調査やインタビューを通して、消費者に触れ続けているリサーチチーム。そんな彼らの知見をご紹介します。

 

今回のテーマは、「2019年度ビューティトレンド総まとめ」です!

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去る12月3日、アイスタイルは2019年、生活者に支持されたコスメを総括する「@cosmeベストコスメアワード2019」を発表いたしました。実際に商品を使用したメンバーから、この1年間に@cosmeに寄せられたクチコミ投稿をベースに、今、生活者が支持している商品をランキング形式で表彰するアワードです。 サービス開設当初より毎年発表しており、@cosmeならではの生活者視点に立った受賞ラインナップが、化粧品業界及び美容業界からもご注目いただいています。


2018年はどんな商品が人気だった?

今年の話をする前に、昨年2018年はどんな年だったか振り返ってみたいと思います。昨年のブログ記事を読み返してみると、「2018年はSNSの影響力が強まった」1年であった様子が見えてきます。
参考:【リサーチコラム】 ビューティトレンド総まとめ 【2018年版】

 

@cosmeのクチコミ内で「SNS」というワードの出現率が増加。生活者の化粧品選びに大きな影響をもたらした他、SNSで発信される情報からヒットにつながる「SNS売れ」という現象も注目を集めました。また「トーンアップ」商材などアプリで加工した顔や質感を再現するためのメイクへ関心が寄せられました。

 

最も支持された総合大賞にはリップアイテムであるオペラ「リップティント」が選ばれたほか、大賞商品10位のうち、メイクアップアイテムが6製品を占めるなど、SNS映えする製品が話題となった1年でした。

2019年はどんな年?~「肌」への意識高まる

2019年、クチコミ内にみられる「SNS」の出現率はさらに上がっており、影響が衰えていない様子が窺えます。その一方で、ベストコスメ受賞商品を見ると大賞商品10位までのメイクアップアイテム数は2製品にとどまり、昨年とは少し異なるランキングとなりました。

 

「スキンケア」「ベースメイク」カテゴリに投稿されるクチコミ数は緩やかではありますが伸び続けており、「素肌感」というワードが昨年の1.2倍出現するなど、クチコミ内にも肌の仕上がりや状態・なりたい肌感に関する言及が増えています。中でも注目しているのが「土台」というワードです。表層的な美しさを求めるのではなく、肌本来の力を底上げしたいというニーズの高まりを感じさせます。盛らずにナチュラルにヘルシーな生活を送りたい。シンプルな生活、エコ思考の高まりも後押しとなり今後も継続する流れであると考えています。

 

動画時代で、より重視される「質感」

では、どんな「肌」になりたいか? 分かりやすい軸でいうと「ツヤ」か「マット」かという論争が毎年のように繰り広げられていますが、ベースメイクの仕上がりは今年は「ツヤ」肌がトレンドの1年でした。

また、下地やファンデーションといったベースメイクだけでなく、チークやハイライトで「ツヤ」を足すといった行動がクチコミでは多くみられました。

 

「ツヤ」の中でも特に「濡れツヤ」というワードの伸長率が高いことも今年の特徴のひとつです。動画の普及によって、細かいパールやラメの質感が伝わりやすく「ツヤ」の表現も細分化されていったのではないかと推測しています。

また、ラメひとつとっても「偏光ラメ」「グリッター」といったワードが伸長するなどその幅の広がりを感じさせます。そして今後5Gの商用サービスが開始されることを受け、質感に対する意識はさらに高まっていくことが予想されます。

総合大賞は「セザンヌ パールグロウハイライト」
~「濡れツヤ感」が話題に

@cosmeベストコスメアワード2019総合大賞に輝いたのはセザンヌ「パールグロウハイライト」はこうした流れを体現する商品であり、“まるで塗るレフ板”のようなきめ細かいパールが肌に濡れたようなツヤ感を与えてくれるアイテムであるとして多くの注目を集めました。

ハイライトの使用率はまだまだ低い中、多くのクチコミが投稿された背景には、トレンドの肌感になれるということ以外にも、手持ちのアイシャドウやチークとの相性のよさや、チャレンジしやすい価格(2.4g・600円)、SNS上で「売り切れ」と話題になったこと、使用方法を紹介するメイク動画がSNSやYouTubeに多く投稿されていることなど、生活者の心を動かす要因がいくつも重なったことが、今回の総合大賞受賞へと繋がったと考えています。

チャレンジしやすいトライアルキット・ミニサイズが人気

セザンヌ「パールグロウハイライト」はチャレンジしやすい価格帯が人気のひとつと考えていますが、価格設定以外にも、各社「試してもらう」ために様々な努力を行っている様子が窺えます。今年ベストコスメを受賞した商品に多くみられたのが、トライアルキットの販売やミニサイズの展開です。ベストブースター第1位を受賞したクリニーク「クラリファイング ローション 2」は、3サイズ展開しており、「100mlで試して良かったので200mlをリピ買い」、ベスト化粧水第1位を受賞したオルビス「オルビスユー ローション」は「7日間トライアルセット」を販売しており、「トライアルセットからの現品購入」といったクチコミをはじめ、まずはミニサイズで試してから通常サイズを購入したという記述が多くみられました。

トライアルキットやミニサイズに惹かれるのは、決して価格面の安さだけではないでしょう。「使い切れないかもしれない」「無駄にしたくない」という生活者の今の気持ちの表れであろうと考えています。

 

生活者のニーズに寄り添った商品が数多く受賞

他の受賞商品からも、様々な生活者の今の気持ちが垣間見られます。

今年は、女性の就業者数が初めて3000万人を突破したというニュースもありましたが、仕事や子育てに忙しい女性たちは年々増え続けています。家事や化粧においても「時短」が注目されていますが、美容への興味関心が高い@cosmeのユーザーにおいても、「時短」というワードは伸長し続けています。しかし相反するかのように「さぼる」というワードは減少傾向にあり、「肌」意識の高まりもあり、決してさぼりたいわけではないという女性たちの心理が見えてきます。

 

「時短」ケアといえば、1品5役・これ1本でといった「オールインワイン化粧品」を思い浮かべる人も少なくないでしょう。実際、スキンケアアイテムの中で最も「時短」の出現率が高いのは「オールインワン化粧品」です。

 

ただ、伸長率でみると「パックフェイスマスク」「洗顔料」で伸び率が高いことが分かります。塗ってそのまま眠れるエリクシール「エリクシール ルフレ バランシング おやすみマスク」(下半期パック新人賞)や、泡立てずに使用するビオレ「おうちdeエステ 肌をなめらかにする マッサージ洗顔ジェル」(ベスト洗顔料 第2位)など工数を削減することなく時短ケアできる商品も増えており、今後も期待が寄せられます。

 

機能が横並びになり、どれをとっても悪い商品に出会わなくなった今、ライフスタイルを理解し生活者の気持ちに寄り添った付加価値を与えられるブランドや商品が支持されていくのではないでしょうか。

2020年は具体的にどのような商品が話題となるのか、いち生活者としても楽しみにしたいと思います。

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関連資料:株式会社アイスタイル プレスリリース「2019年話題のコスメを総括!」

https://www.istyle.co.jp/news/press/2019/12/1203-bc.html

 

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PROFILE

原田彩子ONDA3688

Harada Saiko

株式会社アイスタイル リサーチプランナー

クチコミをはじめとした膨大なデータは、アイスタイルの財産です!

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