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【リサーチコラム】生活者のいまの気持ち ~シンプルで、頑張りすぎないライフスタイル ~

September 28,2018

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アイスタイルには、「日本最大のコスメ・美容の総合サイト@cosme(アットコスメ)」の膨大なデータ群を分析し、マーケティングに活用する「リサーチグループ」があります。1400万件を超える膨大なクチコミはもちろん、アクセスデータや意識調査やインタビューを通して、消費者に触れ続けているリサーチグループ。そんな彼らの知見をご紹介します。

 

今回のテーマは、「生活者のいまの気持ち ~シンプルで、頑張りすぎないライフスタイル ~」です!

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無駄なものは持ちたくない、使い切れることの価値

『断捨離』や『ミニマリスト』というワードが一般的になってきたように、無駄なものを持ちたくない、シンプルな生活をしたいというニーズは年々高まりを見せています。

 

いつでもどこでもモノが手に入る時代で、今欲しいものを欲しい分だけ手にしたいという気持ちや、捨てることに罪悪感を覚えるといった声も聞かれます。メルカリなどのフリマアプリが流行っているのも、この「捨てる」という罪悪感を持たずに済むということも理由のひとつなのではないでしょうか。

 

化粧品でいうとSNSで「#底見えコスメ」「#使い切りコスメ」というハッシュタグをつけた画像とともに、商品への愛を表現する投稿が増えました。商品を使い切れない経験を持つ人が多いからこそ共感を得られるのでしょう。

 

こうした流れは、消費に消極的な行動へと繋がりかねませんが、トレンドを取り入れたいという思いは昔も今も変わりません。むしろスマートフォンやSNSの普及により情報量が増加したことにより、余計にその意識は高まっているとも言えるでしょう。

 

モノを買わないのではなく、「手持ちのものを活用できるものか」「使い切れるものであるか」をより強く意識するようになっているのが、昨今の消費の傾向と考えられます。

化粧品・美容トレンドに見る使い切りニーズ

アイシャドウは、複数色がセットされ、捨て色(使わない色)があっても仕方ないと考えられていた「パレットタイプ」が主流でしたが、数年前から必要な色味だけを自由に選択できる「単色アイシャドウ」が人気となっています。

 

また、手持ちの口紅の上から「ブルー」や「ブラック」「イエロー」を重ねるニュアンスチェンジャーも次々と発売されており、1本追加することでその時流行りの色味や質感を楽しめると評判です。以前ならば、新しい口紅を買い足し、気分に合わなくなった口紅は使い切る前に捨ててしまうことも多かったでしょう。その都度なんとなく感じていた罪悪感を持たずにいられることは今の生活者にとってはとても大事なことです。

スキンケアにおいても、手持ちの化粧水などの効果を高めることのできる、「ブースター・導入液」や「美容家電」の使用率が上がっており、同じ流れを感じます。また、ユーザーインタビューでも「手持ちのものとの相性を美容部員に相談する」といった声も聞かれており、新旧どちらも使えることが重要だと考えているようです。

 

また、資生堂から小さなサイズで色々楽しめるリップ&ネイル『ピコシリーズ』が登場するなど使い切れるサイズ感の化粧品も増えています。

『SHISEIDO / ルージュ ルージュ ピコ』のクチコミでは、「手頃かつミニサイズなので使い切れそうで罪悪感なくメイクを楽しめて大好きなシリーズです。」「口紅を一本使いきるのには結構時間がかかるので、こういう商品はいいですね!色々試してみたくなります。」といったように、小さいサイズが購入の後押しになっている様子が窺えます。

 

その他、コンビニ限定でミニサイズの商品を展開するブランドもみられます。いろいろな商品を試してみたい女性たちにとって、お手頃なサイズ感であることはとても魅力的であり、今後ますます注目を集めそうな予感です。 

化粧ポーチの中身も変化

無駄なものを持ちたくないという心理は、持ち運び用の化粧ポーチの中身にも影響をしているようです。

 

以前、アットコスメメンバーに普段「持ち歩き用のポーチ」に入れている化粧品やグッズの数を聞いたところ「3~6個」がボリュームゾーンとなりました。

次に、「以前と比べてその数に変化があったか」尋ねたところ、約5割が「減った/減らした」と回答しています。年代別で見ると、ライフスタイルの変化が大きい30代で特にその傾向が強い様です。

 

コンビニで購入できるブランド『パラドゥ』調べによると、【女性のバッグの重さは平均2.6キログラム。なんと、大根2〜3本分!その中でも重いのが財布、次いでメイクポーチ】だと言います。数を減らせない人でも、前述のミニサイズコスメやお直し専用コスメなどを上手に取り入れたり、「小分けにして美容液やオイルをコンパクトに持ち歩いている」など軽量化を目指している人も多い様です。

「減った/減らした」理由として多く挙げられたのは以下となります。

  • 断捨離した
  • 小さなバッグが流行っているので
  • 化粧直しをしなくなった/化粧が薄くなった
  • リップとチーク兼用など複数機能のあるアイテムにした
  • 子供が産まれ、荷物が増えたため自分の荷物を減らした
  • 不安だからと持ち歩いていたものをやめた

 

年代別に調べてみると、20代は「小さなバック」や「2wayなど多機能化粧品」を理由として挙げる人が多く、30代は「子供」や「ナチュラルメイク」を、40代以上は「結局持ち歩いていても使わない」と不安からくる余計な持ち歩きを止めたという声が特徴的にみられています。

 

ここで垣間見られるは、『断捨離』といったミニマムなライフに加え、『頑張りすぎないナチュラルさ』を目指す意識です。いつも完璧に化粧をした状態でなくてもよい、頑張らない、力を抜いたライフスタイルに共感する人達が増えたと言えるのではないでしょうか。

最後に

番外編として、持ち歩き用の数が「増えた/増やした」と回答した人の理由をいくつかご紹介しましょう。

  • 1つのアイシャドウパレットだけでなく、単色のものを組み合わせて使用するようになったため。(23歳)
  • リップをティントとグロスなどというように、重ねづけすることにしたから。(22歳)
  • TPOや気分に合わせて使い分けたいので、いつどんな気分になってもいいように数種類持ち歩くうちに、リップだけで10本超えるほどに、、(苦笑)(30歳)
  • 以前はリップとファンデーションくらいだったのが歳を重ねると、ハンドクリームだとか薬等を入れるようになった。(51歳)

 

加齢や気分による理由は別として、「単色アイシャドウ」や「重ね付けグロス」によって個数が増えたという意見は、皮肉なものです。無駄にならない消費を心掛けた結果、持ち運びの個数は増えてしまう。結局、持ち運びの個数を減らすためには、不安からくる持ち歩きをいかになくせるかが、経験を重ねることが最も重要なのかもしれませんね。

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PROFILE

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Harada Saiko

株式会社アイスタイル リサーチプランナー

クチコミをはじめとした膨大なデータは、アイスタイルの財産です!

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