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【@cosmeから見た”生活者”のいま】テーマ:アットコスメベストコスメアワード2017上半期新作ベストコスメ(国際商業8月号)

July 13,2017

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アイスタイルには、「日本最大のコスメ・美容の総合サイト@cosme(アットコスメ)」の膨大なデータ群を分析し、マーケティングに活用する通称「リサーチチーム」と呼ばれる部隊がいます。

1300万件を超える膨大なクチコミはもちろん、アクセスデータや意識調査やインタビューを通して、消費者に触れ続けているリサーチチーム。そんな彼らの気づきや仮説、興味を「月刊 国際商業」という業界を代表する専門誌にて「@cosmeから見た”生活者”のいま」というタイトルで連載させていただいております。

国際商業とは・・・

1969年、化粧品および日用品の専門誌として創刊。川上のメーカーから川下の小売業の市場概況や経営戦略や関連省庁の動向・問題点など多岐にわたって情報発信するとともに、業界の発展に寄与すべく諸提案を続けている月刊誌です。

 

http://www.kokusaishogyo.co.jp/kokusai_syougyo/

2017年7月7日発売、国際商業8月号に掲載されたものをご紹介します。

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アットコスメベストコスメアワード2017上半期新作ベストコスメ

早いもので2017年も折り返し地点を迎えたが、アットコスメでは今年どのような商品が注目を集めているのだろうか。17年6月14日、アイスタイルは直近半年(16年11月1日〜17年4月30日)の新商品のみを対象とした「アットコスメベストコスメアワード2017上半期新作ベストコスメ(以下、アットコスメ上半期新作ベストコスメ)」を発表した。実際に商品を使用したメンバーから寄せられたクチコミ投稿をベースに、アットコスメ内でどれだけ多くの注目を集めた商品かを公正にデータ化してランキング形式で発表するアワードである。

 

例年この「アットコスメ上半期新作ベストコスメ」で大賞を受賞した商品は、12月に発表される通年の「アットコスメベストコスメアワード」(新商品だけでなく、アットコスメに登録される全商品対象とする)でも総合大賞もしくはカテゴリ賞を受賞する商品が多く含まれる。よって「上半期」に大賞を受賞した商品には、生活者が求めているニーズをいち早く知るヒントが隠されていると考えている。

 

 

今年は、大賞に加えて全44のカテゴリ賞が発表され、コスメから生活用品まで幅広い顔ぶれである(表)。受賞商品の傾向として、「頑張らなくても、賢くキレイになりたい」という生活者のニーズに応える商品が支持されている様子が窺える。

 

「頑張らなくても」というワードを聞くと、以前より人気の高いオールインワン化粧品や多機能アイテム、時短コスメなどを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。

 

確かに、カテゴリ賞として設けられている「BBクリーム・CCクリーム」の他にも、「ベストシートマスク」1位にランキングしたサボリーノの「目ざまシート」のように、寝起き肌にそのまま貼るだけで、洗顔、スキンケア、化粧下地まで出来るオールインワンマスクや、「ベスト日焼け止め」1位のコスメデコルテの「サンシェルターマルチプロテクション」のように、紫外線だけでなく、大気汚染までプロテクトしてくれる商品がランクインするなど人気は続いている様だ。

 

一方で、決してシンプルケアだけがトレンドであるとは言い切れない状況もみられる。受賞の有無に関わらず上半期に発売されたコスメ(アットコスメの商品データベースの発売日、発売日情報がない商品は登録日を基に分類)に注目すると、「美容家電」や「ブースター・導入液」などプラスワンアイテムが例年に比べて多く発売されているのだ。

 

そのなかで受賞商品に選ばれている商品は、「ベスト美容家電」1位のパナソニック「炭酸イオンエフェクター」のような、手持ちのコスメの効果をより引き出せる商品、「ベスト美容液」1位のONE BY KOSE「薬用保湿美容液」のような、既存のお手入れを変えることなく、一品投入するだけでこれまでの美容が底上げされるような商品である。今までの習慣を変えずに無理なく続けられる点が「頑張らなくてもきれいになりたい」といういまの女性たちのニーズにマッチしているのではないかと考えている。

 

同様に「ベストクリーム」1位のアテニア「ミッドナイトモイスチャライザー〈春夏〉」もいつものスキンケアの最後にプラスして塗って寝るだけで効果が得られるという商品だ。

 

また、簡便性の高い商品も注目される。例えば、「ベストリップケア」1位のディオールの「ディオールアディクトスクラブ&バーム」のように、場所を選ばず手軽に使えるスティック状のリップスクラブや、手が汚れないというメリットを持つ「クッションファンデーション」や「スティックファンデーション」といった商品が支持されている背景には、女性たちが時短という意味だけではなく、日々のちょっとしたストレスから解放されることに対して価値を感じているからではないだろうか。

 

そして今年、「大賞」に輝いたのは昨年10月に発売されたオペラの「リップティント」である。

ここ数年、新商品が多く発売される口紅のなかでも、花嫁のように幸せな顔になれる〝花嫁リップ〟というキーワードが話題となり、消費に慎重と言われる若年層からのクチコミも多く投稿されている。また、話題性だけでなく、従来のティントリップでは実感の難しかった「色持ちの良さ」と「うるおい」を両立させた確かな商品力も評価のポイントであろう。

 

さらに、色持ちの良さから化粧直しの手間がかからないことや、液状が多かったティントリップにおいて、より気軽に扱えるリップスティック形状であることなど、今まで見てきた商品同様「頑張らなくても、賢くキレイ」を叶えてくれる商品と言えそうだ。

 

仕事や家事などの忙しさに加え、SNSなどによる情報疲れなど多くのストレスを抱えていると言われるいまの女性たち。化粧品以外に目を向けても、週末につくりおきをするいわゆる「つくおきレシピ」や、「甘酒」や「はちみつ」など甘いものを食べる罪悪感を払拭してくれる体によい食べ物が人気となったり、締め付けのきつくない「ワイヤレスブラ」が注目されるなど、頑張りすぎないことを受け入れてくれる商品が支持される傾向にあるのではないだろうか。「アットコスメ上半期新作ベストコスメ」からもそうした女性たちのニーズを垣間見ることができる結果となった。

 

アイスタイルリサーチプランナー 原田彩子

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国際商業 2017年8月号より転載

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