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【@cosmeから見た”生活者”のいま】テーマ:「日本」というコスメの価値(国際商業5月号)

April 10,2017

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アイスタイルには、「日本最大のコスメ・美容の総合サイト@cosme(アットコスメ)」の膨大なデータ群を分析し、マーケティングに活用する通称「リサーチチーム」と呼ばれる部隊がいます。

 

1300万件を超える膨大なクチコミはもちろん、アクセスデータや意識調査やインタビューを通して、消費者に触れ続けているリサーチチーム。そんな彼らの気づきや仮説、興味を「月刊 国際商業」という業界を代表する専門誌にて「@cosmeから見た”生活者”のいま」というタイトルで連載させていただいております。

国際商業とは・・・

1969年、化粧品および日用品の専門誌として創刊。川上のメーカーから川下の小売業の市場概況や経営戦略や関連省庁の動向・問題点など多岐にわたって情報発信するとともに、業界の発展に寄与すべく諸提案を続けている月刊誌です。

http://www.kokusaishogyo.co.jp/kokusai_syougyo/

2017年4月7日発売、国際商業5月号に掲載されたものをご紹介します。

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「日本」というコスメの価値

美容系総合ポータルサイト、@cosmeの企画・運営、関連広告サービスの提供を行うアイスタイルは、2017年3月1日、古来から伝わる日本の美を再発見し、世界に発信する「@cosme NIPPON PROJECT」を開始した。

 

日本は言わずと知れた美容大国であり、各地域の多様性に富んだ自然や伝統が育んだ天然由来の美容成分の宝庫でもある。また、日本の優れた化粧品開発力やプロダクトは誇るべき「輸出産業」であるとアイスタイルは考えている。

 

そこでアイスタイルグループでは、「@cosme NIPPON PROJECT」として、日本ならではの「美意識」や「美容文化」、世界に誇る「美容素材」、「美容技術」から生まれたコスメやサービスを発掘し、その情報を継続的に国内外に発信していく。また「@cosme NIPPON PROJECT」の一環として、連結子会社であるアイメイカーズから、日本各地の豊かな自然や食文化、伝統が育んだ知る人ぞ知る素材や天然成分を、@cosmeの商品・クチコミデータベースや、美容に関する様々な領域で活躍されるスペシャリストの知見を基に発掘し、「@cosme nippon」ブランドとして商品化し、企画・販売する。

 

なぜ、いま「日本」か。生活者にとって、「日本らしいこと」や「日本であること」にはどのような価値があるのだろうか。

 

@cosmeの商品情報データベースには約28万の商品情報が登録されている(17年2月末日現在)。そのデータベースの発売日を基に(発売日情報のない商品についてはデータベースに登録された日を参照した)、商品名または商品説明文の中に「日本」もしくは「国産」の記述がある商品(ただし「日本限定、日本新発売、日本人女性のため」等は除外した)を「日本らしさ、日本であること」を訴求するコスメと仮定し、その数をカウントしたところ、16年には約200商品が新たに発売(または@cosmeに登録)されていた。前述の通り、@cosmeには膨大な数の商品が登録されているので、それと比べるとわずかなボリュームではあるが、近年その数を大きく伸張させていることは事実だ(図1)。これらの多くが、訪日外国人旅行者に向けたものだと思われるとはいえ、商品数が増えているということは、日本人生活者がこれらの「日本訴求コスメ」と出会う機会も増えていると考えられる。

実際、ここ数年話題となっている目もとや口もとに赤を効かせたメイクは、日本の伝統的な化粧法を連想させる。また@cosme ベストコスメアワード2016のベストクリーム7位には、大正・昭和初期のパッケージデザインを復刻させた「クラブ コスメチックス ホルモンクリーム クラシカルリッチ」が選ばれ、同ベスト シートマスク6位の「石澤研究所 毛穴撫子 お米のマスク」のクチコミには、「スキンケア迷走中だった頃、日本人だからお米製品は合うはず!」「原料から生産まですべて国産という安心感がありながらお手頃価格」「日本らしい感じが魅力的のため購入した」という生活者の声が寄せられている。

 

ここ数年、@cosmeではロングセラー商品への支持が高まっている。図2はベストコスメアワードアイテム賞(全58カテゴリー)1位受賞および殿堂入り商品(複数回1位を受賞した商品)のうち、ロングセラー商品がどのくらいを占めていたのかを時系列に示したものである(以下、「ロングセラー商品比率」)。ここでは、受賞時点で発売から5年以上経過している商品を「ロングセラー商品」と仮定した。16年度のロングセラー商品比率は、前年とほぼ同等であり、14年頃から比較的高い水準で推移している。08年のリーマンショック時にロングセラー比率が高まっていることに代表されるように、多くの女性たちの支持に裏付けされたロングセラー商品は、生活者にとって失敗のリスクの低い「安心な」商品だと捉えられているのであろう。ここ数年のロングセラー商品比率の高さは、いかに景気が悪いかを表しているというよりも、「失敗したくない」というリスクを恐れる現代女性の消費マインドの表れという意味合いが強いのではないかと考えている。つまり景気にかかわらず、現代女性にとって「リスクの低さ」は支出の重要な判断基準であり、ここ数年はロングセラーという安心感にお金を払う傾向が見受けられるのではないだろうか。

 

今、「日本らしさ」に期待されていることも、ロングセラー商品への支持と近しいのではないか。日本的デザインやスタイルとしての魅力、国への帰属意識の高まりというだけではなく、これまで日本の作り手と生活者が築き上げてきた「安心感」への期待。

 

アイスタイルグループは、日本の化粧文化や美意識・感性から生み出された、化粧品における優れた研究開発・技術・品質は世界に誇るべき「輸出産業」であると考えており、美に興味関心を抱く世界中の生活者にその魅力や価値を伝えることで、当社だけではなく日本の化粧品業界全体のプレゼンス向上につなげ、新たな市場を創造していくことを目指す。

 

@cosme NIPPON PROJECT

http://www.cosme.net/html/spc/cosme-nippon-project/

 

 

@cosme nippon

http://cosmenippon.com

 

アイスタイルリサーチプランナー 西原羽衣子

 

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国際商業 2017年5月号より転載

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