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【リサーチコラム】 ビューティトレンド総まとめ
【2018年度 上半期版】

June 27,2018

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アイスタイルには、「日本最大のコスメ・美容の総合サイト@cosme(アットコスメ)」の膨大なデータ群を分析し、マーケティングに活用する「リサーチグループ」があります。1400万件を超える膨大なクチコミはもちろん、アクセスデータや意識調査やインタビューを通して、消費者に触れ続けているリサーチグループ。そんな彼らの知見をご紹介します。

 

今回のテーマは、「2018年度上半期のビューティトレンド総まとめ」です!

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2018年も半年が経過しようとしていますが、18年度(昨年11月1日~本年4月30日)はどのような化粧品が発売され、生活者からの支持を得ているのでしょうか?

 

@cosmeでは先日6月14日、昨年11月1日~本年4月30日の新商品のみ対象とした「@cosmeベストコスメアワード2018上半期新作ベストコスメ」を発表しました。受賞ラインナップとともに、人気商品の傾向やいまの生活者の気持ちについて考えてみたいと思います。

2017年は「頑張らなくても賢くキレイ」を叶える商品が人気の傾向

2018年度上半期のトレンドの前に、2017年度はどんな商品が支持されたのかを簡単に振り返ってみましょう。2017年、最も支持された商品はオペラ「リップティント」でした。未だにその人気は健在で、限定色は発売とともに即完売という話を聞きます。

 

『オペラ』はブランドコンセプトで「カンペキなんて可愛くないし、がんばりすぎも、気分じゃない」と謳っていますが、ここ数年女性たちはストレスなく生きること、頑張らないこと、力を抜いたエフォートレスなライフスタイルに共感する傾向があります。何度も化粧直しを頑張らなくても”ほどよいキレイ”が続くと言った点などが、支持を受けている要因のひとつと考えています。(詳しくは、【リサーチコラム】 ビューティトレンド総まとめ 【2017年版】参照

2018年度上半期、新作コスメ激増

生活者はますます「商品が多すぎて」選べない状況に・・・ブランドに求められるコミュニケーションは?

 

2017年からの流れは現在も引き続いており、日々のちょっとした不満や、煩わしさをなくしてあげられるもの。「頑張らなければならない」という気持ちから解放してあげられる商品が数多く登場しています。

 

2018年度上半期(昨年11月1日~本年4月30日)は@cosmeに登録された新商品の数が例年と比較し多く、その数は過去5年間で最大、昨年と比べると25%増となりました。特にメイクアップカテゴリの伸長が際立っており、昨年同期間の約2倍の新商品が登録されています。メイクアップカテゴリはいわゆる「SNS映え」しやすいアイテムが多いこと、情報の普及の早さから移り行くトレンドに合わせ多くの商品が発売されていること、限定商品やリニューアルの商品も多かったことなどが理由として考えられます。

 

多くの商品が発売されるということは、それだけ生活者にとっては選択肢が広がり魅力的な状況である一方で、行動経済学などでは、「人は選択肢が多くなると決めることができずに、物を買うことをあきらめてしまう」とも言われています。生活者の選択肢が増える中、いかにして選ばれる商品となるのか。ブランド側のコミュニケーションがますます重要となってくるでしょう。

 

たとえば、上半期に登録された商品の説明文に着目すると「おすすめ」「女性」など「誰のためのコスメであるか?」を表すようなワードが例年と比べ特徴的に出現しており、機能や効果だけではなく、生活者に自分ごと化してもらうためのコミュニケーションを図るブランドが増えている様子が窺えます。

進む商品カテゴリのボーダレス化

従来の枠組みでは分類できない「その他」カテゴリが伸長

もうひとつ上半期の特徴として、これまでのカテゴリの枠にはまらない、マルチなアイテムが増加している傾向がみられました。

 

例えば、「ベストその他ファンデ」1位のケイト「パウダリースキンメイカー」のような、既存のカテゴリの枠組みを超えた商品が一例に挙げられます。(密着感と軽さを両立した「液状パウダーファンデーション」。リキッドファンデーションの均一な化粧膜&密着感(一体感)がありながら、パウダーファンデーションを塗布した後のような、軽いパウダリーな仕上がり。)

 

それ以外にもラベンダーカラーのUV、スキンアクア「トーンアップUVエッセンス」が「ベスト日焼け止め」1位に輝いたり、「スキンケアパウダー」「マルチUVケア」といった部門がアイテム賞に新設されるなど、スキンケアとメイクの境も一層曖昧なものとなってきています。

 

このような風潮に伴い、生活者の商品選びにも変化が生じるのではないでしょうか。カテゴリを起点として考えるのではなく、その人がなりたい仕上がりや求める機能、使用感を軸による商品選択がなされる。既存の考え自体が崩壊する日も近いかもしれません。

 

大賞はデジャヴュ「ラスティンファインa クリームペンシル」

機能性とともに「描き心地」の良さが評価のポイント

3,257商品の中から大賞商品に選ばれたのは、アイライナーであるデジャヴュ「ラスティンファインa クリームペンシル」です。

 

機能性とともに「描き心地」の良さが高く評価されての受賞となりました。この「描き心地」というワードはアイライナーのクチコミの中で年々増加傾向にあり、特に直近1年での伸長率が高いことが分かります。

 

 

近年、メーカーの研究開発の進化もあり、どの商品を使用してもある程度品質の満足度が得られる時代です。そうした中で、生活者が商品を選択する際の軸として「見た目」や「香り」、「使い心地」「音」といった、五感のウエイトが増していくことが予想されます。アイライナーという数ミリのレベルにまで「心地よさ」を求める。こうした生活者の声からもそんな兆しが垣間見られます。

「浮きたくない、でもみんなと同じは嫌」がいまの女性たちの気持ち

数ミリの世界でも「自分に似合うもの」を選びたい

デジャヴュ「ラスティンファインa クリームペンシル」のクチコミの中には「ほかにない個性的な色ですが落ち着いた色合いなので使いやすい」など色味についての言及が散見します。(2018年6月現在「リアルブラック」「ダークブラウン」「ナチュラルネイビー」「モーヴブラウン」の4色展開)

 

昨今SNSなどの影響もあり、炎上を恐れるなど「コミュニティから浮きたくない」という心理が強く働くと聞きます。ブラウン、ブラックという枠組みから大きく外れることのない、でも少しだけ個性がある、頑張りすぎていない色味が、いまの生活者の気持ちにマッチしていると言えるのではないでしょうか。

 

しかし色展開が豊富になると、今度はどの色を選べばいいのか?という悩みが生じてきます。かわいい女性、かっこいい女性など目指すイメージを指し示してあげることも大事だと思いますが、いまの女性たちは「どれが自分に似合う色なのか」を知りたがっていると考えています。その色を知ることで周囲から浮かない自分でいられるからです。

 

@cosmeの「イエベ・ブルベ診断」も人気コンテンツの1つですが、クチコミの中でも客観的な指標で色選びをしている人が増加している様子がみられています。

 

2018年下半期も多くの商品が発売されるでしょう。しかし、生活者は必ずしも「新しさ」を求めている訳ではないと考えています。生活者の今の気持ちやライフスタイルに寄り添うことが、何よりも大事なことではないでしょうか。

 

【関連記事】

「@cosmeベストコスメアワード2018上半期新作ベストコスメ」プレスリリースはこちら:

http://www.istyle.co.jp/press/2018/06/20180614.html

 

@cosme編集記事はこちら:

2018 上半期新作ベストコスメ\大賞受賞コスメ/人気のヒミツを徹底分析

https://www.cosme.net/bestcosme/articles/2018_analysis

 

2018 上半期新作ベストコスメからビューティトレンドやヒットの法則を徹底チェック★

https://www.cosme.net/bestcosme/articles/2018_analysis_2

 

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Harada Saiko

株式会社アイスタイル リサーチプランナー

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