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【リサーチコラム】 ビューティトレンド総まとめ 【2018年版】

January 9,2019

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2018年度に話題となったモノやコト

「@cosmeベストコスメアワード 2018」「TRENDING HOT 12」を同日発表

昨年12月3日、アイスタイルは2018年、生活者に支持されたコスメを総括する「@cosmeベストコスメアワード2018」を発表いたしました。実際に商品を使用したメンバーから、この1年間に@cosmeに寄せられたクチコミ投稿をベースに、今、生活者が支持している商品をランキング形式で表彰するアワードです。 サービス開設当初より毎年発表しており、@cosmeならではの生活者視点に立った受賞ラインナップが、化粧品業界及び美容業界からもご注目いただいています。

また同日、SNS・WEB・雑誌・テレビの情報に加え、@cosmeメンバーへのアンケートをもとに決定した「TRENDING HOT 12」を発表しました。2018年ビューティ業界を彩った12のキーワードとなり、ベストコスメアワード同様、生活者の動向を知るうえでのヒントが詰まっています。

 

今回は、これらのモノやコトがなぜ話題となったのかを中心に、生活者の今の気持ちを考えてみたいと思います。

2018年度はプチプラ商品が人気の傾向。消費マインドは積極的?

昨年はベストコスメアワードの総合大賞に輝いたオペラ「リップティント」をはじめとし、プチプラ商品の話題が豊富な1年となりました。下記のグラフはベストコスメ1位受賞商品のうち、プチプラ商品が占める割合を時系列に示したものです。

今年は受賞商品のうち64%がプチプラ商品であり、ここ数年の中で最も高い比率となっています。

 

また、もう一つ注目したいのが、2008年と2011年にプチプラの比率が減少している点です。各年に起きた代表的な出来事を振り返ってみると、2008年はリーマンショック、2011年は東日本大震災が思い起こされるでしょう。このことから生活者は、景気の落ち込みや社会的な不安要素を感じると「安いものを買って失敗するリスク」を回避しようという気持ちが働くのではないかと考えています。逆に言うと、プチプラが支持された昨年は比較的安定しポジティブなマインドであったと言えるのではないでしょうか。

さらに強まるSNSの影響力

SNSや加工アプリから教わる美しさ

「TRENDING HOT 12」にも『SNS売れ』が選ばれていますが、2018年も「SNS」の影響力は衰えることはありませんでした。@cosmeのクチコミにおいても「SNS」というワードは前年比の1.7倍出現しています。またその影響は、情報収集や購買行動だけでなく、化粧行動にまで及んでいます。

 

例えば、数年前より自分の顔をより写真映えさせるために「立体メイク」を取り入れるなどのトレンドが生まれていましたが、昨年はアプリで加工した顔や質感を再現するためのメイクへ注目が寄せられました。

 

「まるでアプリで加工したかのようなきれいな唇に仕上がります」「いざ、フォトアプリのような加工肌!!!」@cosmeのクチコミにもこのような記述がみられています。

 

多くの加工アプリに、肌を「トーンアップ」させる、「シミ」や「クマ」など気になるところを隠すという機能が備わっていますが、@cosmeのクチコミの中で「トーンアップ」というワードの出現率が、前年比の約2.6倍に伸長。また、「シミ」や「クマ」をカバーするために使用する『コンシーラー』のクチコミ件数が1.3倍となったことからもこうした傾向が窺えます。

 

具体的な商品で見ると、「ベスト日焼け止め 第1位」に日焼け止め効果だけでなく「フィルターをかけたようなフォトジェニックな肌になれる」ことを謳った、スキンアクア「トーンアップUVエッセンス」が、「ベストコンシーラー 第1位」に特に若年層で人気の韓国コスメである、the SAEM「チップ コンシーラー」が選ばれている点が象徴的です。

最近では小学生や中学生からスマートフォンを手にする人も多いため、化粧を始めるよりも前に加工アプリに触れる人がどんどんと増えていくでしょう。今後はますますこうした傾向は加速していくものと予想しています。

 

また、この心理は決して女性だけに限ったことではないようです。株式会社マンダム調べによると、10代20代男性の約6割が自身の顔写真を投稿する際、写真を加工すると回答しており、さらにそのうちの7割が「画像加工などで盛られたデジタル上の自分に、リアルの自分も近づけていきたい」と考えているとのことでした。

株式会社マンダム プレスリリース:https://www.mandom.co.jp/release/2018/src/2018092601.pdf

 

昨今「メンズ美容」への注目が高まりを見せていますが、アプリの普及とともにさらに加速していくのではないでしょうか。

過酷な環境、出来事により変化する意識

「未来の自分への投資」ニーズ高まる?

「SNS」とともに2018年を語るうえで外せないのが「災害」に関する話題ではないでしょうか。異常気象による夏の暑さは女性たちの化粧品の選び方にも影響を与えました。

 

例えば、「ベスト日焼け止め 第1位」に選ばれた、セザンヌ「皮脂テカリ防止下地」のように「崩れにくい」ベースメイクが支持されています。ベースメイクの仕上げに「フィックスミスト」を使用したり、頭皮のべたつきやニオイを防ぐために「ドライシャンプー」を使用するなど、プラスワンの消費も見られました。

 

また「ドライシャンプー」は度重なる「災害」でも注目を集めたアイテムですが、オーラルケアやヘアケアなども含め、全般的に予防意識の高まりを感じさせます。ベストコスメアワードの商品ラインアップを見ても、「日傘」や「日焼け止め」、「デオドラント・制汗剤」をはじめ、「大気汚染」や「花粉」など外的要因から肌を保護する機能を謳った商品も引き続き支持を受けている様子が見受けられます。

 

こうした環境に対する予防意識はいつ頃から芽生えたのでしょうか?@cosmeで「大気汚染」「花粉」のワードの出現率推移を調べたところ、2011年に大きく増加していることが分かります。おそらく、2011年の東日本大震災がきっかけとなっていると推測されます。

大きなニュースや社会的な出来事は、生活者に価値観の変化をもたらします。「環境」に対しての意識もその1つと言えそうです。

 

「予防」意識の高まりを受け今後注目されるのが『未来の自分への投資』です。2019年は新しい時代の幕開けに伴い「未来」を意識する機会も増えるでしょう。昨年も『きょうの毛穴と未来の肌に。』がキャッチコピーであるエリクシール「エリクシール ルフレ バランシング おしろいミルク」が「ベスト日焼け止め 第3位」に選ばれていましたが、より強まっていくのではないかと予想しています。

 

2019年は具体的にどのような商品が話題となるのか、いち生活者としても楽しみにしたいと思います。

 

 

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PROFILE

原田彩子ONDA3688

Harada Saiko

株式会社アイスタイル リサーチプランナー

クチコミをはじめとした膨大なデータは、アイスタイルの財産です!

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