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【リサーチコラム】おすすめ度にも影響?@cosmeのクチコミからみる『化粧品パッケージ』

February 27,2020

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アイスタイルには、「日本最大のコスメ・美容の総合サイト@cosme(アットコスメ)」の膨大なデータ群を分析し、マーケティングに活用する「リサーチチーム」があります。1500万件を超える膨大なクチコミはもちろん、アクセスデータや意識調査やインタビューを通して、消費者に触れ続けているリサーチチーム。そんな彼らの知見をご紹介します。

 

今回のテーマは、「@cosmeのクチコミからみる『化粧品パッケージ』」です!

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「テンションあがる」という表現が4倍に

@cosmeのクチコミの中で、「パッケージ」というワードが使用される率は、10年前と比較すると約1.8倍となります。

 

純粋に「パッケージ」に対する記述が増えたこと、および「容器」というワードは若干減少していることから「パッケージ」という表現に集約されてきているということも言えそうです。

 

続いて、「パッケージ」を含むクチコミの中で語られる話題にどのような変化が生じているのかを調べてみたところ「テンション/上がる」という表現が10年前の約4倍出現していることが分かりました。

  • こちらのパッケージの色、とても素敵。好きな色なので、洗面所に並んでいると何だかテンション上がります。  
  • パケもかわいくて持ち出す日はポーチから見えてもテンション上がります。         

 

上記のクチコミのように、部屋の中・持ち運び問わず「パッケージ」が情緒的な満足度を高める役割を担っている様子が窺えます。

 

次に、もう少し定量的に示すために@cosmeのおすすめ度(0-7点の8段階評価)で検証してみます。以下のグラフは、購入品の【全クチコミ】と【パッケージの言及があるクチコミ】の平均おすすめ度の差を時系列に調べたものです。

2014年までは、全体平均と比較し±0.1点の間で推移しており、「パッケージ」がおすすめ度に与える影響はさほど大きくはないようです。ところが2015年を境に、+0.3点と【パッケージの言及があるクチコミ】で平均評価点が上昇しています。

 

もちろん「パッケージ」の効果だけと言い切るのは乱暴ではありますが、前述の「テンション/あがる」の出現率増加と合わせてみても、何かしらプラスの影響を与えている可能性があると言ってもよいのではないでしょうか。

 

2015年、スマホ個人保有率が過半数超える

2015年に起きた大きな変化の一つとして、「スマートフォンの個人保有率が50%を超えた」ことが挙げられます(出展:総務省 通信利用動向調査)。SNSの利用率も増加し、ビジュアルでのコミュニケーションが注目され始めたことと関連があるのではないかと考えています。

@cosmeでいうと、2015年に最も人気だった商品は『イヴ・サンローラン  ルージュ ヴォリュプテ シャイン』(@cosmeベストコスメアワード2015 総合大賞)。そのパッケージデザインの美しさも人気の理由のひとつであり、使用後に指輪へと加工する過程も話題となりました。また、翌2016年にはトレンドキーワードとして「SNS映え」が選出されるなど、パッケージデザインへの注目の高さは今も維持され続けています。

 

今の気持ちに合ったパッケージとは?

では、どんなパッケージが支持されているのか。さらにクチコミを見ていきたいと思います。まず多く言われているのは10年前も今も「パッケージ/可愛い」であり【パッケージの言及があるクチコミ】の中の、約2割で言われている表現となります。その他、伸長率が高いフレーズとして「パッケージ/シンプルだ」が挙げられます。(2019年は2009年の約1.7倍出現)

  • パッケージもシンプルで、浴室で浮かない。良いものを見つけました!!
  • シンプルなパッケージで鏡がわりにもなるので使いやすいです。
  • 香りもなく、無駄な装飾のないシンプルなパッケージも、今の時代や私の疲れた心に合っている気がします。

 

 

上記のクチコミのように、「パッケージのシンプルさ」は見た目の要素だけでなく、モノや情報にあふれた今、シンプルなライフスタイルを求める生活者の気持ちともマッチしているようです。

 

実際に2009年と2019年に「パッケージ」の記述が多い製品のパッケージを並べてみました。

 

 

2009年はキャラクターや柄物が多いのに対し、2019年は透明でなんとなくシンプルなものが多い印象を受けます。

ビジュアルだけがパッケージへの評価ではない

また、昨今のクチコミにはパッケージの機能性に関する記述が多いことも特徴です。

 

忙しく、化粧品に対しても「時短」を求める現代の女性たちにとって、見た目が可愛いだけで高い評価を勝ち取るのは難しいかもしれません。

 

パッケージが透明でシンプルなことで、中身の色が確認できる。残量が分かるなどのメリットをもたらしてくれるものや、失くしてしまいがちなスパチュラが蓋の裏に収納できることなどちょっとした工夫が彼女たちのストレス軽減に繋がっており、結果@cosmeのおすすめ度にポジティブに影響しているのであろうと考えています。

 

高まるエコ意識、生活者の気持ちに寄り添うパッケージとは

最後に、昨今注目が高まっている「サスティナビリティ・環境」視点でパッケージについて考えてみたいと思います。@cosmeの中でワードの出現率をいくつか確認したところ、「サスティナビリティ・環境」視点で目立って伸長しているものは見つけられませんでした。例えば、「詰め替え」「エコ」というワードを10年間で調べたものが以下のグラフとなります。

 

 

クチコミの特性上、使用感がメインの記述となるため、「サスティナビリティ・環境」関連の感想は、もともと積極的に発信される種類のものではないかもしれません。それでも、減少傾向にあるという点はひとつ考えさせられる状況ではないでしょうか。

  • 驚いたのが詰替えが無い!オーガニックを謳うメーカーは環境を考えてパッケージ等にも配慮しているところが多いのに。。何だが流行りに乗った商売のためのエセオーガニックな感じがして非常に残念です。

 

といったように、一貫性がないことによりブランドの信頼性を落とすことになりかねません。

 

確かにエコに対する情報に触れることも増え、生活者の意識は高まっていると言えるでしょう。しかし、生活者の本音としてはまだまだ以下のような気持ちが根強く残っているのも事実です。

  • 外箱は最終的に捨てちゃうものなので、エコの観点からするとシンプルにしたり、再生紙を使用したりするのがいいと思うものの、高級感や上品さを感じるパッケージに心惹かれる部分は捨てきれません
  • 容器のスタイリッシュさがテンション上がります。ただ使い終わった後の容器(ガラス瓶)の処理などを考えると、他のクレンジングでもいいかなーと思ってしまいます

 

 

今後メーカー・ブランドに求められていることは、見た目を担保しつつ、手間や捨てることの罪悪感を取り除いてあげることでしょう。その延長が自然と社会貢献につながっている、そんな状況が望まれるのではないでしょうか。

 

いずれ、クチコミの中で「サスティナビリティ・環境」関連ワードが語られないことを、当たり前すぎて敢えて言う必要がないからだと考察する時代が来る。そんな変化を期待しています。

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PROFILE

原田彩子ONDA3688

Harada Saiko

株式会社アイスタイル リサーチプランナー

クチコミをはじめとした膨大なデータは、アイスタイルの財産です!

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