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COLUMN

求人マーケットの動向を知る化粧品業界求人倍率レポート
2017年9月の求人マーケット動向
(週刊粧業2017年10月30日号)

October 30,2017

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アイスタイルグループには、化粧品業界に特化した求人サイト「アットコスメキャリア」の運営や、人材派遣事業などを行う会社、「アイスタイルキャリア」があります。2008年1月にオープンした日本最大級の化粧品・美容業界専門のリクルーティングメディアで、会員登録数は35万人、契約ブランド数は200ブランドを超える「アットコスメキャリア」の編集長を務める齋藤 芽衣が、 「週刊粧業」という生産・流通産業界の総合専門情報紙にて「求人マーケットの動向を知る化粧品業界求人倍率レポート」というタイトルで連載させていただいております。

週刊粧業とは・・・

1953年6月に創刊、毎週月曜日に発行しています。

化粧品、日用品(トイレタリー製品・石鹸洗剤・歯磨き等)、医薬品、美容業、装粧品、エステティック等を中心とした生産・流通産業界の総合専門情報紙として、関連業界の健全な発展と消費者の生活向上に資する最新情報を提供している。

 

https://www.syogyo.jp/

週刊粧業に掲載されている記事を、STORiES -istyle blog-でもご紹介させていただきます。

今回は、週刊粧業 2017年10月30日号に掲載されたものをご紹介します。

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化粧品業界最大の求人メディア「アットコスメキャリア」および人材紹介サービス「化粧品人材バンク」を利用する約30万人超の会員データをもとに、毎月、最新の求人マーケットの動向をお伝えします。

■サマリー

・化粧品販売職の求人倍率は1.92倍(+0.60)
・化粧品本社職の求人倍率は1.09倍(▲0.04) ※カッコ内は前月比
・販売職では、契約社員などの有期雇用が中心となっており応募を集めることに苦戦。今後は化粧品販売員のキャリアの在り方を見直していく必要がある。
・本社職は、化粧品メーカーのPR職の採用でSNSの知識が求められるケースが増加しているが、企業が求める人物像とのギャップが課題。

■「販売職」の求人マーケットの動向

引き続き倍率は上昇を続け、9月の求人倍率は1.92倍となった。厚生労働省の発表によると、有効求人倍率はバブル期を上回る高水準になり、化粧品業界に限らず社会全体で人手不足が深刻化している。また、6月には正社員の有効倍率が調査開始以来初の1.0倍越えと発表された。人が採れないため正社員採用に切り替える企業が増え、求人が増えたことが一因だと考えられている。
このように社会全体で正社員採用を推進する動きがあるが、「アットコスメキャリア」における化粧品販売職の求人掲載状況では、正社員の求人が全体の約3割であるのに対して、契約・アルバイトなどの有期雇用の求人が約7割を占める。大手女性向け求人サイトでは正社員が約7割で、有期雇用が約3割である事と比較すると、化粧品販売職の正社員採用の少なさは明白だ。
このように正社員採用が促進されない背景として、ブランドイメージに合わない人材を雇用し続けるリスクの回避や、職場の流動性を保つという考えが根強くあるからではないかと考える。また、すぐに辞める人材を正社員で雇用したくないという意図もあるようだ。しかし、こういった理由で有期雇用での募集をかけることで、そもそも人材が集められない状況に陥ってしまうケースが多くみられる。
一方、実際に求職者と面談してみると、ブランドチェンジや本社への異動など社内で流動性を保つ仕組み自体が無く悩んでいたり、自身のキャリアをどうしたらいいかわからずなんとなく居続けているという相談も多い。採用する側とされる側のニーズがすれ違ってしまっているように感じる。
化粧品販売員の正社員採用を促進する為には、単純に雇用形態を変えれば良いという問題ではなく、従業員の多様性への対応や、長期的なキャリア形成について考える機会を与えるなどの取り組みもセットで考える必要があるようだ。
今後、ますます採用は困難になっていくことが予想されるが、雇用形態も含めて化粧品販売員のキャリアの在り方そのものを見直していくことが必要ではないだろうか。

■「本社職」の求人マーケットの動向

9月は比較的、求職者・企業ともに落ち着いており求人倍率に大きな変動はなかったが、直近の傾向としては化粧品メーカーのPR職のオーダーが多かった。
PR職は、かつては雑誌編集者やマスコミとの強いコネクションをベースにした業務がメインだったが、近年では業務が多様化してきている。特にInstagramやTwitterなどのSNSを活用したプロモーション活動の重要性が増しているが、実際にはそれらの専門知識を有している化粧品PR経験者は意外と少ない。
こういったポジションの「化粧品人材バンク」での採用成功事例としては、ファッションや化粧品ECサイトのマーケティング担当からのキャリアチェンジだ。サイトのPRでSNSを活用したキャンペーンを積極的に行ってきた経験が即戦力として評価され採用に至っている。
SNSを活用したプロモーション活動の経験を求めながらも、募集条件を「化粧品メーカーでのPR経験必須」としてしまっているオーダーもあるが、実際の経験者像とギャップがあるように感じる。異業種にも視野を広げた提案を通じて、ギャップを埋めながら業界内の人材流動性を高めていきたい。

 

【執筆】

アットコスメキャリア編集長

齋藤芽衣

https://is-career.istyle.co.jp/

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週刊粧業2017年10月30日号より転載

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PROFILE

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Saito Mei

アットコスメキャリア編集長

2008年に株式会社アイスタイル入社後、会員登録者数26万人を超える化粧品業界専門の求人メディア「アットコスメキャリア」および化粧品業界専門の人材紹介サービス「化粧品人材バンク」の制作責任者として、化粧品メーカー300社、8000以上の求人広告の製作に関わる。 その後、転職アドバイザーとして、化粧品業界の本社職や販売職への転職を希望する候補者約12000人のカウンセリングを行っている。
https://istylecareer.cosme.net/corporate

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