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世界中で@cosmeが使えるようになる?!
-生活者中心の市場の仕組みを世界へ展開する、アイスタイルグループのグローバル戦略(前編)

September 2,2016

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※本記事は2016年9月2日にアイスタイル HR blogに投稿された記事の再掲です。

 

 

「Beauty × ITで世界No.1へ」を中長期事業戦略に掲げるアイスタイルグループ。日本国内での事業領域拡大と同時に、グローバル市場でのビジネス展開も積極的に進めています。

 

2014年に開始した中国での越境EC事業に続き、2015年のフィリピンと、アジアを中心とした化粧品卸事業を展開。メディアにおいては、2015年に@cosmeの多言語版の正式オープンとECサイト「@cosme shopping」の英語版のリリースを行いました(※前回記事参照)。アジア圏を中心に美容市場が拡大していることや、インバウンド需要の高まりなどを受けて、順調に売上増やユーザー獲得を実現しています。

 

しかし、私たちが取り組もうとしているグローバル事業は、これだけではありません。現在まさに事業開発を進めているところなのですが、具体的にどのような展開を考えているのでしょうか。それに向けてどのように取り組んでいるのでしょうか。海外事業開発部のお二人にお話を伺いました。

(左)グローバル事業開発本部 海外事業開発部 部長/ラファエルさん
(右)グローバル事業開発本部 海外事業開発部/久慈さん

「日本の美容コンテンツの輸出」と「@cosmeビジネスモデルの輸出」、2つの軸で海外事業を展開

–  アイスタイルグループのグローバル戦略の全体像について改めて教えてください。

 

ラファエル: 「事業領域としては、主にメディア事業、小売事業、卸売事業の3つがあります。また、今年7月に立ち上げた、ビューティーブランドの企画開発を行う会社(※株式会社istyle makers設立準備会社〔仮称〕)では、今後海外市場向けに美容関連商品を展開していく予定ですので、それを加えると4領域になります。

メディアと小売はこれまでも日本国内で行ってきた事業であり、そのノウハウを活かして海外市場でもビジネス展開していきますが、その展開の仕方は2通りあります。1つは『日本のコンテンツを海外へ展開する』というもので、もう1つは『@cosmeのビジネスモデルを海外で展開する』というものです。

 

前者は、『美容先進国』と言われる日本の商品やコンテンツを海外に紹介していくというかたちです。メディア事業でいうと、日本の@cosmeの翻訳版である@cosmeグローバルサイトがすでにローンチしています。小売店舗の海外進出はまだこれからですが、日本のランキングをもとに商品を展開する小売店舗の出店を考えています。『日本の化粧品』や『日本で人気があるもの』の需要が高い国がありますので、そういった国で展開します。

 

後者は、各国で独自のデータベースを構築し、日本国内と同じようにメディア事業や小売事業を展開していくというものです。つまり、生活者の声を集めたデータベースをつくり、それをマーケティングや小売に活用していくという、@cosmeのビジネスモデルのみを海外に出していくということです。その場合、そこに集まる商品情報やクチコミ情報は、その国独自のものとなります」

アイスタイルグループのグローバル戦略

目指すのは、各国のデータベースをつないだグローバルプラットフォームの構築

–  つまり、各国に@cosme や@cosme storeの現地版ができるということですか?

 

ラファエル: 「そのとおりです。それぞれの国で独自のデータベースを構築し、最終的には、言語や国の枠を超えて全世界のデータをつなぐデータベースをつくることを目指しています。

例えばA国にいるユーザーが、普段は自国で販売されている商品の情報やレビューを調べるため、@cosmeのA国版を使っているとします。同じユーザーが、B国に旅行に行った時に、現地で人気の化粧品をお土産に買って帰りたいと思い、@cosmeで選択地域をB国に変更します。すると、現地の情報に切り替わりますが、変わらずA国語で閲覧ができる、というものです。つまり、@cosmeが、地域や言語を越えて共通のプラットフォームとなるイメージです。

もちろんすぐに実現できるものではありませんが、そう遠くない将来にグローバルなビューティープラットフォームを構築することを目指して、その第一歩を踏み出そうとしているところです」

 

久慈: 「@cosmeの各国版をつくると言っても、それぞれの市場やユーザーの特性に合わせて柔軟に展開していきたいと考えています。ただ最低限必要なものがあって、それは『メーカーからの商品情報』、『ユーザーからのクチコミ』、『ランキングのアルゴリズム』。この3つがきちんと揃っていれば、@cosmeのベースはつくることができます。そして、その情報を統合することで一つのグローバルデータベースをつくることができます。

 

日本の@cosmeでは、編集部による独自記事やブランドからの情報発信などのコンテンツ、Q&Aやブログといったユーザーが使える機能の提供など、ユーザーやクライアント企業のニーズに合わせて豊富なサービスを展開していますが、他の国では必ずしも同じことをやらなくてもいいと思っています。基本の3要素さえあればいい。ここはブラさずにやっていきます」

言語軸と市場軸で、進出国を選定

–  どういった国での展開を考えているのでしょうか?

 

ラファエル: 「美容関連市場の立ち上がりが早いアジアの5つの国・地域を、最初の注力国として設定しています。既に卸売事業をスタートさせている中国・香港に加え、台湾・タイ・シンガポールです。これらの国ではすでに、具体的な話が進んでいます。

それと並行して、第二・第三注力国を調査・選定中です。具体的な国やエリアはまだお伝えできないのですが、どのように進出先を選定しているのかをお伝えすると、まずは言語を切り口に考えています。@cosmeは検索による流入が多いサイトなので、どの言語で展開するかは非常に重要です。そのため、まずはインターネット利用人口の多い言語が選択肢として挙げられます。

とはいえ、オンラインでいくらトラフィックを稼げても、市場がなければマネタイズができません。そのため、市場規模の大きさも考慮しています。例えば、オンライン人口が多い言語だったとしても、国が分散してしまっていると市場としては分散してしまいます。それよりも、全体の使用人口が若干少なくても、一つの国で一定のボリュームの市場がある方がビジネスとしての期待値は高くなる、といった具合です」

パートナー企業との協業により、スピーディに事業立ち上げを行う戦略

–  具体的には、どのように事業展開を進めていく予定なのでしょうか?

 

久慈: 「日本で@cosmeを始めた時は、まずメディアをつくり、そこに蓄積されたデータベースを活用して小売店舗を始めました。しかし海外展開においては、まずはマネタイズがしやすい店舗を中心にスタートするつもりです。一方で、@cosmeのランキングデータを元にしたMD(仕入れや棚割り等)を行うのが@cosme storeの特長なので、それと同じモデルの店舗を海外で展開するためには、現地の消費者の声を集めるメディアも必要になります。そのため、メディアもあまり時間をおかずに展開していく予定です。

しかし、一からメディアを立ち上げてトラフィックやデータベースを確立するまでにはやはり時間がかかります。調査の結果、多くの国で@cosmeと同様の化粧品のレビューサイトがあり、すでにある程度のトラフィックを獲得していることがわかりました。そこで、事業をスピーディに推進していくためにも、そうした現地の既存サイトと提携をしていくことを考えています。

小売に関しては、独資での展開を予定している国や地域もありますが、現地の市場や物流に詳しい企業とパートナーシップを組む方向で話を進めているところもあります」

 

–  ありがとうございます!次回は、実際にどのように事業開発に取り組んでいるのか伺っていきたいと思います。

 

後編に続く

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