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ビューティープラットフォーム戦略の推進者たち (3)
~美容事業者向け「ビューティーID」の導入~

May 10,2016

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※本記事は2016年5月10日にアイスタイル HR blogに投稿された記事の再掲です。

 

アイスタイルグループが事業戦略として掲げるビューティープラットフォーム(※)戦略。その実現に向けてどのような取り組みが行われているのか、過去2回の記事でお伝えしてきました。

  1. ビューティープラットフォーム戦略の推進者たち (1) ~@cosmeスマートフォンサイト刷新プロジェクト~
  2. ビューティープラットフォーム戦略の推進者たち (2) ~エイジング世代向けメディアA-Beauty立ち上げ~

ビューティープラットフォームとは

コンセプトムービー「つながる美のセカイ」で表現されているような、「美容」という領域におけるすべてのプレイヤーがつながり、あらゆる活動ができるようになる一つのプラットフォーム。アイスタイルグループは、こうしたビューティープラットフォームの構築を中長期事業戦略として掲げている。実現に向けての具体的な取り組みとしては、【1. サービスの統合】【2. 独自情報のコンテンツ化】【3. BID(ビューティーID)の導入】、の3つがある。

 

今回は、3つ目の柱である【BID(ビューティーID)の導入】についてお伝えしていきます。これは、メーカーやサロン、小売店、個人事業主など、美容業界で活動するビジネスユーザーに、@cosme内で活動するためのIDを付与するというもの。BIDを持つ事業者は、「Beauty Board」と呼ばれる管理画面を使い、情報発信やコミュニケーションを行うことができるようになります。

 

まずは、化粧品をはじめとする美容関連商品ブランドを対象にした「Beauty Board for Brand」と、エステサロン、リラクゼーションサロン、ヘアサロン、クリニックなどのサロン店舗を対象にした「Beauty Board for Salon」が、2015年6月にリリースされました。さらに今年2月には小売店向けにもBIDを発行し、ユーザーと小売店をつなぐ「@cosmeお店ガイド」サービスが開始されました。

 

一連のプロジェクトに携わった3名の皆さんへのインタビューを行いました。

(左から)
グループシナジー向上室 小売店事業支援タスクフォース タスクフォース長/渋谷さん
ユーザーサービス本部 ユーザーサービス部 部長/勝並さん
ユーザーサービス本部 ユーザーサービス部/本田さん

生活者ユーザーに加えて、ビジネスユーザーにもIDを付与。

プロモーション目的での情報発信が容易に

これまでは、生活者である個人ユーザーがIDをもち、クチコミやブログ、Q&Aなどのコンテンツを投稿することで成り立っていた@cosme。BIDの導入により、こうした個人ユーザーだけでなく、美容領域における事業者の方たちもコンテンツを発信できるようになりました。これにより具体的に何が出来るようになり、@cosmeはどう変わっていくのでしょうか。BID導入プロジェクトを管轄するユーザーサービス部で部長を務め、ブランド向けサービス「Beauty Board for Brand」のプロダクトマネージャーでもある勝並さんと、ユーザーサービス部に所属し、サロン向け「Beauty Board for Salon」のプロダクトマネージャーを務める本田さんに聞きました。

 

勝並: 「まず第一弾として、BIDを持つブランドさん、サロンさんが情報発信に使えるブログ機能を搭載しました。そして第二弾として、Q&Aサイト『chieco』に投稿された質問に、専門家として回答していただけるようになる予定です。このように、美容事業者の皆さまがBIDを使って@cosme上でコンテンツを発信することで、自社商品や自店舗のプロモーションに活用していただけるようになります。

 

世の中にはすでに、さまざまな情報発信のためのサービスがあります。しかしそれぞれ個別のものなので、例えばマーケティング活動をしたいと思ったら、ブログを開設し、SNSのアカウントをとって、Q&Aサイトではまた別のIDが必要で……。という状況です。それを、「美容」という領域においては@cosmeのBIDひとつでできるようになる、というのがBIDの大きな特長です。利便性も向上しますし、@cosmeのユーザーさんは美容に関心の高い方々ですから、そうした方々に情報発信ができるという点で高い効果も見込めます」

 

これまでも、ブランドさんやサロンさんが@cosme内で情報発信ができるサービスはありました。それとは何が違うのでしょうか。

 

勝並: 「例えばブランドさん向けには、これまでも『ブランドファンクラブ』というサービスがあり、@cosme内のブランドページで情報の配信を行うことができました。今後もこのサービスは継続していきますが、ブログやQ&Aといった新たな投稿先が追加されたことにより、元々そのブランドや商品に興味があるユーザーさんだけでなく、コンテンツの内容に興味があって閲覧してくれるユーザーさんとの接点も生まれやすくなりました」

 

本田: 「サロンさん向けにも、元々『コラム』という、ispot(サロン検索・予約サイト)内で記事投稿ができるサービスがありました。これは、ispot編集部から出したお題に合った記事を書いてもらい、編集部が承認のうえ掲載するというもの。今回、BIDの付与により、自由なテーマで好きなタイミングで書けることになったことで、記事の掲載が増えています。特に個人サロンさんは普段露出の機会も少ないですので、『発信したい』という要望が多く、BID導入以降、サロンさんからの発信コンテンツは全体で7~8倍くらいに増えました」

 

専門家によるコンテンツが増えることで、役立つ情報を求めるユーザーにとってもメリットが

こうしたBIDを持った専門家によるコンテンツが増えることは、個人ユーザーにとっても大きなメリットになります。前々回の記事前回の記事で、「@cosmeは、ユーザーが情報に出会うために訪れる場所へと進化していく」とお伝えしてきましたが、そうした情報の中には、BIDを持った美容事業者が発信するコンテンツも含まれます。つまり、ユーザーから見ると、「①ユーザーが投稿した情報・コンテンツ」「②アイスタイル(グループ)がつくった独自コンテンツ」「③美容の専門家(美容事業者)が発信するコンテンツ」の3種類のコンテンツがある、ということになり、情報の量やカバー範囲が一気に広がります。

 「これからの@cosmeをどうしていくのか?」を、膝を突き合わせてディスカッション

BID導入への道のりが始まったのは、2014年6月。ユーザーサービス部の前身となる部署のプロジェクトとして、今後@cosmeをどうしていくのかという会議を、4週間かけて行なったそう。当時、各サービスの企画系業務を担当していた社員が15~16人集まり、少人数のグループに分かれて自由に意見を出しあうというワークショップ形式でした。

 

これまで、ispotを運営する株式会社アイスタイルビューティーソリューションズで企画から営業までispotに関する幅広い業務を経験してきた本田さんは、このタイミングでアイスタイルに出向し、サロン向けサービス担当としてプロジェクトに参画しました。

 

本田: 「4週間会議が始まった当初は、@cosme内のいちコンテンツ企画案を提案する人もいれば、完全なる新規ビジネスを提案する人もいるなど、議論にもならない状態だったのですが、ディスカッションを重ねるうちに徐々にまとまってきました。もちろん全くのゼロからスタートしたわけではなく、社長の吉松さんの頭の中には『こういう世界を実現したい』というベースとなる構想があってのことだったのですが、プロジェクトメンバーが集まって議論を重ね、意見を出し合いながら方向性を決めていったことで、それぞれが自分ごととして思いを込めることができたように思います。今、そこで話していたことが徐々に形になりつつありますが、構想段階から大きくぶれていないので、皆でディスカッションするというプロセスを踏めて良かったと思っています」

新規事業となる小売店支援サービス。ユーザーの要望と小売店のマーケティングニーズをマッチング

「Beauty Board for Brand」や「Beauty Board for Salon」は、メーカーやサロンといった、これまで@cosmeやispotをビジネスに活用してくれていた業態の事業者を対象としたサービス。一方でこれまでアイスタイルグループとして直接の取り引きがなく、BIDの導入により新たなビジネスパートナーとなるのがドラッグストアや化粧品専門店などの小売店です。

 

小売店支援事業の第一弾として2016年2月にリリースされたのが、「@cosmeお店ガイド」です。ユーザー画面上では、@cosmeで商品詳細やクチコミを閲覧するページに「この商品が買えるお店を探す」というリンクを設置、そこから地域別に取り扱い店舗を検索できる仕様になりました。スマートフォン版では現在地近くの店舗を探すこともできます。

商品の取り扱い情報を登録するのは、BIDを持つ小売店です。小売店は、自店舗で取り扱いがある商品の購入を検討しているユーザーに店舗情報を伝えることができるだけでなく、セール情報やクーポンなどを表示することもできるようになります。

 

このサービスの優位性について、担当の渋谷さんに伺いました。

渋谷: 「@cosmeで商品のクチコミを閲覧しているユーザーさんは、能動的に情報を探しにきているため、すでにある程度購買意欲の高い方が多いといえます。しかし、その時点ではどこで買うかは決めておらず、近くのお店や行き先のお店ですぐに試したい・買いたい、といったニーズが高いです。小売店がそのようなユーザーさんにアプローチができれば、新規顧客や見込み顧客の獲得につながります。

 

また、ユーザー満足度の向上という点でも価値がある取り組みだと思っています。化粧品をECサイトで購入することも一般的になりつつありますが、やはり他の商材に比べて、実際に手にとって試したい、確かめたいというニーズが高いのが化粧品や美容関連の商材の特徴。これまでもユーザーさんから『どこで買えますか?』というお問い合わせは多く寄せられており、ようやくその要望に応えることができるようになりました」

 

渋谷さんは、店頭マーケティングの支援をする企業や大手IT企業を経て、2014年9月にアイスタイルに入社。小売店の販促支援の経験とITの知識を活かして、新規事業である小売店向けサービスを任されることとなりました。新規サービスの立ち上げ、かつ新たな顧客層の開拓という、まさに0から1を生み出すタイミングでしたが、どのように進めていったのでしょうか。

 

渋谷: 「まず、対象となる小売店さんがどういった課題を抱えているのかという仮説を立て上で、小売店さんに直接話を聞きに行くところから始めました。私たちの構想をお伝えして、それが課題解決につながりますか?ということを、様々な業態の小売店さんにヒアリングさせていただきました。良い反応をいただくことが多く、手ごたえは感じましたね。とはいえ、新規事業は既に目の前にやらなければいけないことがある既存事業に比べて、優先順位が下がってしまいがち。『アイスタイルの強みを活かしてこのサービスを実現することで、ユーザーさんや小売店さん、ブランドさんなど多くの方に喜んでいただける』という未来像を具体的なプランに落としながら、社内の多くの人たちを巻き込んで前に進めようと心がけました」

 

その言葉どおり、小売店がBIDを持つことで、さまざまなことが実現可能になります。上述のような店頭への送客支援はもちろん、ブランド(メーカー)と小売店、それぞれがBIDを持つようになることで、例えばブランドと小売店とのコミュニケーションやネットワーク構築のツールとしても@cosmeを使ってもらえるようになるなど、「美容領域におけるすべてのプレイヤーが集い、活動する場」としての、@cosmeプラットフォームの可能性を秘めています。

おわりに

ビジネスユーザーがIDを持つようになり、@cosmeのプラットフォーム化はさらに進んでいきます。ブランドやサロンに加え、小売店、さらには個人で活動するヨガインストラクターやネイリストなどのスペシャリストなど、これまでの@cosmeにはいなかったプレイヤーも増えていきます。そうした美容のプロたちが@cosme上でコンテンツを発信することで、その情報を軸に、ユーザー、ブランド、サロン、小売店、スペシャリストが、相互につながっていきます。

 

これまで3回にわたって、ビューティープラットフォーム戦略を推進するさまざまなプロジェクトについてお伝えしてきました。これまで独立していた複数のサービスを、一つの大きな@cosmeとして統合すること(【1. サービスの統合】)にはじまり、@cosme内のさまざまな機能や情報を「興味・関心軸」でつなぐ専門メディアの立ち上げ(【2. 独自情報のコンテンツ化】)、美容関連のビジネスを行うプロたちも@cosme上で情報やコンテンツを発信したり、その他ビジネスに必要な活動をしたりすることを可能にする【3. BIDの導入】……。これらの取り組みにより@cosmeは、生活者も事業者も、美容領域におけるすべてのプレイヤーが集い、つながり、活動できるような場所になっていきます。これが、私たちが実現しようとしているビューティープラットフォームです。サービスの姿や、それによって人がどのように動くのか、イメージしていただけましたでしょうか。

 

「ビューティープラットフォーム戦略の推進者たち」シリーズは一旦こちらで終了です。しかし、まだまだ社内では色々な取り組みが進行中。みなさんにお伝えできるタイミングが来ましたら、続編としてお伝えしたいと思いますので、お楽しみに!

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