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ビューティープラットフォーム戦略の推進者たち (2)
~エイジング世代向けメディアA-Beauty立ち上げ~

April 13,2016

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※本記事は2016年4月13日にアイスタイル HR blogに投稿された記事の再掲です。

 

 

アイスタイルグループは現在、ビューティープラットフォーム(※)の構築に向けてさまざまなプロジェクトを推進しています。

ビューティープラットフォームとは

コンセプトムービー「つながる美のセカイ」で表現されているような、「美容」という領域におけるすべてのプレイヤーがつながり、あらゆる活動ができるようになる一つのプラットフォーム。アイスタイルグループは、こうしたビューティープラットフォームの構築を中長期事業戦略として掲げている。実現に向けての具体的な取り組みとしては、【1. サービスの統合】【2. 独自情報のコンテンツ化】【3. BID(ビューティーID)の導入】、の3つがある。

前回の記事では、【サービスの統合】を目指して行われた@cosmeスマートフォンサイトのリニューアルについて取り上げました。リニューアルによってユーザーが@cosme内の各種サービスをシームレスに行き来できるようになったこと、それにより@cosmeが「コスメ」から「ビューティー」へ、「情報を探しに行く場所」から「情報に出会う場所」へと変化しているということをお伝えしました。

 

今回のテーマは、ビューティープラットフォーム戦略の2つ目の柱である【独自情報のコンテンツ化】です。ジャンル特化型のウェブマガジンを立ち上げ、アイスタイルグループが持つ多種多様な美容関連情報からユーザーの属性や興味・関心軸で情報を切り取りコンテンツ化したものや、独自取材による信頼性の高いオリジナル記事などを提供していきます。一般的なキュレーションメディアとは異なり、アイスタイルグループならではのオリジナルなコンテンツが読めることが特長のメディアです。

 

その第一弾として2015年12月にリリースされたのが、40代からの美容と健康に関する「知りたい」を叶えるメディア『A-Beauty』。編集担当の尾崎さんに話を聞きました。

アイスタイルグループが持つ豊富なデータベースと専門家への独自取材により、エイジング世代の美と健康に役立つ情報を提供

まず、A-Beautyのコンセプトについて伺ってみたいと思います。

 

尾崎:「『A-Beauty』は、メインターゲットである40代・50代、つまりエイジング世代の女性に、いつまでも美しく健やかに生活していくためのヒントを届けるビューティー&ヘルスケアマガジンです。女性の40代・50代は、様々な体調の変化が起きやすい年代。メイクやスキンケアの仕方を変えたり、健康面での正しいケアを行ったりすることで、そうした変化とうまくつきあっている人たちは、活き活きと輝いていると感じています。一方で、誰にも相談できずに一人で悩んでしまっていたり、自己流の間違ったケアをしたりしてしまったりしている方も多くいるのが現状です。そうした方々の『知りたい』に応えられるような情報を届けることで、元気で美しいエイジング世代を増やすことが、A-Beautyのミッションです」

 

そんなA-Beautyで読めるコンテンツは、大きく分けて2つ。1つは、@cosme内にある膨大な美容情報の中から、エイジング世代に必要な情報と機能をピックアップしてお届けするもの。「40代×アイシャドウ」などのキーワードで絞り込んだコスメランキングをお届けしたり、ブログ記事からエイジング世代向けのものをピックアップしたりしています。もう1つは、A-Beauty編集部が専門家の方々に独自に取材をして作る、A-Beautyオリジナル記事です。婦人科、内科、皮膚科などの医師をはじめ管理栄養士、毛髪診断士、メイクアップアーティストなど、各分野の専門家の方々にご協力いただき、信頼性の高い記事を作ること心がけているそうです。

 

尾崎:「医療健康といった新しい分野への取り組みということもあり、高い編集力が必要とされるサービスのため、女性webメディアの責任者を経験され、女性誌のエディターとしても長年活躍されている方に、立ち上げ当初から編集長として参画いただいています。これまでの@cosmeにはない視点やアイディアをもっている方なので、記事のテーマプランをお互いに話し合うだけでも新しい発見や気づきがあります。“新しい出会いが、新しい事業の可能性を広げてくれる”そんな無限の可能性を日々実感しています。それこそが、今ご協力いただいている医師や専門家の皆さんの数にも現れているかもしれませんね」

 

メイクアップアーティストや毛髪診断士など美容分野の方々は、すでに@cosmeでお付き合いのある方にご協力をお願いしたとのことですが、ヘルスケアの領域はアイスタイルとしても新しい取り組みだったため、まずは自分たちで文献を読んで知識をつけるところから始めたそう。

 

尾崎:「その分野の文献を、文字通り読み漁りました(笑)。そこで知った各分野の著名な先生方や医療ジャーナリストの方々に取材のアポイントをとり、A-Beautyのご紹介とご協力のお願いをしました。医師の先生方の中には@cosmeをご存知ない方も多く、私たちが自己紹介をしても始めは怪訝そうな反応をされることもありましたが、『単なる情報の寄せ集めではない、信頼性の高い記事をユーザーさんに届けたいと思っている』という趣旨を説明すると、快くお受けしてくれました。実は、『すべての女性に知ってもらいたいのに、患者さんとして来てくれた方以外にはなかなか伝える機会がない』ということを、皆さんもどかしく感じていらっしゃったようなのです。第一線で活躍されている方々なのですごくお忙しい方ばかりなのですが、診察の合間をぬって取材にご協力いただいており、とても感謝しています」

オープンにあたって制作したメディアガイド。 品格のある世界観やコンテンツの質の高さを伝えるために、あえて紙で作ったそう。

ターゲットユーザーの興味・関心を分析し、悩みに寄り添う企画を立てる

現在、毎日配信している記事のうち半分ほどは編集部で取材・執筆を行っており、その他は社外のライターや医療ジャーナリストの方などに執筆いただいているとのこと。それらの記事も、企画や文章チェックはもちろんのこと、記事に使用するイメージ画像の撮影もスタイリストやカメラマンを使いオリジナルで撮影しているため、編集部が全ての記事の制作に関わっているといいます。そんな多忙な中、企画はどのように立てているのでしょうか。

 

尾崎:「はじめは経験や知見が少なかったので、A-Beautyがターゲットとする40代・50代の女性がどんなことに興味・関心を持っているのかを探るところから始めました。

@cosmeが企業のマーケティング担当者向けに提供している『ALCOS(アルコス)』という生活者動向の分析ツールがあるのですが、化粧品や美容に関するものはこれを活用して40代・50代の方がどんなことに関心を持っているのかを分析していきました。

ヘルスケア領域などアイスタイルとして知見の少ない領域に関しては、専門家の先生や医療ジャーナリストの方などのご意見を伺うほか、社内のSEO専門チームにも相談しながら分析ツールを使い、『更年期』など年代特有のワードの検索数や、どんなワードと一緒に検索されているのかなどを調べ、何万件ものデータを一つひとつ見ながらキーワードを絞り込んでいきました。

現在はサイトがオープンして数ヶ月経つので、どんな記事の閲覧数や反響が大きかったのか、などの傾向も見て判断しています」

 

ちなみに、これまでに特に人気が高かった記事は、更年期の白髪、原因と予防法は? 白髪を減らす方法と白髪染め選びのコツや、「女性ホルモンを増やすには? 増やす食べ物は?など。

 

尾崎:「白髪は生えてしまったら仕方がないと思われがちですが、実は頭皮のケアや食生活の改善、ストレスケアなどをすることで少なくなるということが専門家への取材でわかり、それを記事にしました。女性ホルモンについては、若さを保つためには必要だということ知っていても具体的なことは知らないことが多く、気になる方が多いようです」

 

更年期というキーワードを含んだ記事もよく読まれるそうなのですが、興味深い傾向が見られるそう。Facebookで更年期に関する記事をシェアすると、「いいね!」はほとんどつかないにもかかわらず、クリック数はとても多いのだとか。これは、「周りには知られたくないけれど、内心気になっている」という人がとても多いということを表しています。だからこそ、ウェブメディアとして情報発信していく意義を感じると、尾崎さんは言います。

 

尾崎:「まずは、一人で悩みを抱えてしまっている方々に有益な情報を届けていくことが使命だと思っています。ですが、最終的には『更年期』というワードのネガティブなイメージを払拭したいと思っているんです。程度の差はあれ女性にはみな訪れるものだし、ポジティブにつきあっていく風潮になればいいなと思う。A-Beautyや@cosmeだけでなく、他のメディアも巻き込んで、『女性として新しい自分をスタートできるターニングポイント』、というポジティブなイメージを浸透させていきたいです」

@cosme内の情報や機能との連携で、プラットフォーム内の回遊を促す

エイジング世代を元気にしたい、という思いが込められたA-Beautyですが、アイスタイルグループのビューティープラットフォーム戦略においても重要な意味を持っています。@cosmeの核には商品情報・クチコミ情報などの共通データベースがあり、その周りにそれらのデータベースにリンクしたブログ・Q&A・ECなどの目的・機能別サイトがあります。こうした情報や機能を「エイジング世代向け」という切り口でつなぐことで、エイジング世代のユーザーに@cosme内の各種サービスを最大限活用してもらえるようにするのが、A-Beautyの役割です。

 

例えば、A-Beauty編集部がアイスタイルグループの各種サービス内からピックアップしたエイジング世代向けの情報(例:40代・50代向けのコスメランキング、エイジング世代向けにピックアップしたビューティーブログ記事、等)を入り口に、別のランキングや、商品詳細ページへの回遊を促します。

 

さらに、タグ機能の搭載により、A-Beauty独自記事から他のコンテンツへの導線もできました。例えば「乾燥肌」というタグがつけられたA-Beautyの記事を閲覧すると、同じタグがつけられたブログ記事やまとめ記事などが関連記事として表示されます。また、記事を読んで「乾燥肌」についてもっと情報が知りたくなったら、タグそのものをクリックするとタグページが表示されます。そこでは「乾燥肌」のタグが付けられた記事コンテンツはもちろん、クチコミやランキング、商品情報、Q&Aなど、あらゆる情報をまとめて見ることができます。ユーザーはそこから興味をもったページに飛ぶことができるという仕組みです。

 

尾崎:「そのユーザーさんにとって価値ある情報がどうかの判断はご本人に委ねますが、私たちは『こんな情報もあるから見てね』という選択肢をできるだけ提示していきたいと思っています。@cosme内には豊富な情報があるので、それらを各サービス間で積極的にシェアして、ユーザーさんが選択しやすいように整理して見せていくということを目指しています。また、今後は@cosme shoppingやispot(サロン予約)とも連携し、必要だと思ったものがすぐ手に入るような導線も強化していきたいと思います」

お互いの思いがぶつかっても、一緒に課題解決を目指せる仲間がいる

新卒でアイスタイルに入社し、約6年間化粧品ECサイト『cosme.com』(現:『@cosme shopping』)を運営する株式会社コスメ・コムに出向していた尾崎さん。バイヤーやコンテンツ制作などの仕事を経て、2015年7月、A-Beauty立ち上げプロジェクトのキックオフとともにアイスタイルに戻り、編集部での仕事をスタートさせました。

 

アイスタイルグループ全体でビューティープラットフォーム戦略を推進している現在では、ECサイトも他サービスとの連携施策に取り組むことが多くなっていますが、尾崎さんが在籍していた当時はコスメ・コム内で完結する仕事が多かったそう。そのためA-Beautyの仕事に移ってからは、関わる人の多さや影響範囲の大きさに戸惑うこともあったといいます。

 

尾崎:「これまでは15人くらいの小さな組織の中に全ての関係者がいたので、同じ方向を向いて仕事をしやすかったですし、何かあってもその場で話し合えば解決することができました。今は、例えば『ブログとの連携』という取り組み一つとっても、@cosmeメンバーさんが書いたブログ記事もあればブランドさんやサロンさんなどが情報発信に使っているブログ記事もあるなど、部署をまたいで複数の関係者と話をしなければいけない状況です」

 

大変なことも多いですが、尾崎さん自身はそうした状況をポジティブに捉えているそう。

 

尾崎:「それぞれのサービスの担当者にはそれぞれの思いがあるので、それが私たちの思いとぶつかることももちろんあります。しかし、批判的な意見を言うのではなく、どうやったらお互いにとって良いものを目指せるか前向きに課題解決しようとしてくれる人たちばかりなので、とても有意義だと感じています。仲間が増えたのは嬉しいですし、@cosmeがあるからこそA-Beautyの記事をたくさんのユーザーさんに届けることができるということも考えると、色々な人に支えられてA-Beautyは出来ているんだなと、実感する毎日です」

 

おわりに

アイスタイルグループではA-Beautyを皮切りに、興味・関心軸でカテゴライズされたメディアの立ち上げを順次行っていきます。

本記事でもご紹介したとおり、アイスタイルグループが持つデータベースや知見を最大限活用した、私たちだからこそできるメディアであることが特長です。そして、そのようなメディアから発信される独自コンテンツをきっかけに、ユーザーが@cosmeを訪れ、@cosme内の各種サービスをストレスなく回遊し、利用する。ビューティープラットフォーム構想のワンシーンとして、そんななシーンを思い描いています。

 

次回は、ビューティープラットフォームの3つ目の柱である、【BID(ビューティー)IDの導入】についてレポートしていきたいと思います。ぜひご期待ください!

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