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【ビューティテック最前線】
第1回:2018年はビューティテック元年(国際商業3月号)

February 22,2018

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アイスタイルでは、ミッションである「ビューティ×ITで世界ナンバーワン」の実現を目指してグローバルに事業を展開しています。その中で、昨今世界の美容業界で盛り上がりを見せるBeautyTechの動向には以前から注目してまいりました。海外のグループ会社も増えてグローバルトレンド情報もいち早く入ってくるようになり、これらの情報を何らかの形で発信できないだろうか、そんな議論を積み重ね、@cosmeの編集ノウハウを活かす形で新たなメディアとして、今世界の美容業界で話題のBeautyTechを中心とした美容業界のイノベーショントレンドを配信する専門メディア「BeautyTech.jp」を立ち上げました(3月1日正式オープン予定)。

 

そんな「BeautyTech.jp」の編集部が、この度「月刊 国際商業」という業界を代表する専門誌にて「ビューティテック最前線」というタイトルで連載させていただくことになりました。

国際商業とは・・・

1969年、化粧品および日用品の専門誌として創刊。川上のメーカーから川下の小売業の市場概況や経営戦略や関連省庁の動向・問題点など多岐にわたって情報発信するとともに、業界の発展に寄与すべく諸提案を続けている月刊誌です。

 

http://www.kokusaishogyo.co.jp/kokusai_syougyo/

国際商業に掲載されている記事を、最終回を迎えた「@cosmeから見た”生活者”のいま」に引き続き STORiES -istyle blog-でもご紹介させていただきます。

今回は2018年2月7日発売、国際商業3月号に掲載されたものをご紹介します。

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2018年はビューティテック元年

前回の2月号で『アットコスメから見た〝生活者のいま〟』が最終回として「進化するビューティテクノロジー」を取り上げた。

それを引き継ぐかたちで、株式会社アイスタイル ビューティテックジェーピー(BeautyTech.jp)編集部がこの欄の執筆を担当することになり、歴史ある国際商業でこのようなコラムを持たせていただけることに大きな喜びを感じている。読者の皆様にとって役に立つコラムとなるよう邁進していきたい。

 

さて、金融×ITのフィンテックや、教育×ITのエドテックといった単語が2015年ごろから登場し、その後、美容業界にもテクノロジーとの融合でイノベーションを起こす領域として、ビューティテックという言葉が使われ始めた。

 

アイスタイルでは、「ビューティプラットフォーム戦略」を中長期の事業戦略として位置づけ、ビューティ×ITで世界ナンバーワンを目指すべく日々活動していることもあり、このビューティテックの動向には注目してきた。

海外のグループ会社も増え、グローバルトレンド情報もいち早く入ってくるようになった。こういった情報を社内だけにとどめておくのではなく何らかの形で発信できないだろうか。そんな議論を積み重ねて昨年11月30日にβ版としてローンチしたのが、ビューティテックジェーピー(https://beautytech.jpだ。

美容業界のリーダー層向けに、ビューティテクノロジーの世界的なトレンドを、「テクノロジー」「マーケティング」「サイエンス」「ビジネス」の4つの視点から取り上げている。ここでは、ビューティテックジェーピーで取り上げた記事をもとに毎回気になる動向を取り上げていきたいと考えている。

ひとりひとりに寄り添うパーソナライゼーション

さて、アイスタイルの毎年恒例のベストコスメ授賞式で、取締役CQOの山田メユミが、2018年のキーワードとして「ビューティテック元年」を発表し、あわせてパーソナライゼーションが大きく前進すると語っている。資生堂も、昨年11月27日に、テクノロジーと同社の持つ美容知見をもとにパーソナライズド・ビューティ構想を発表。18年1月にラスベガスで開催された世界最大のエレクトロニクス展示会であるCESでも、ビューティテック分野ではパーソナライズにフォーカスし、AI技術を取り入れたアイテムが目立った。

昨年のアットコスメアワードでの発表の様子

今後、その日の体調や肌状態によってスキンケアアイテムやサプリメントが自宅で自動調整できるツールが出てきたり、髪の状態をヘアブラシが察知してヘアケアアドバイスがもらえたり、磨き残しのアラートを出してくれる電動歯ブラシなど、私たちのひとりひとりの状態に寄りそってくれるツールは、すでに世の中に出ているものも含め、今度さらに増加していくことだろう。

 

一方で、自分の好みもしっかり把握され、おすすめのアイテムがすっと提案されたり、スマートフォン上でバーチャルにメイクを試せ、そのまま購入できる仕組みもすでに世界中で人気だ。

 

テクノロジーが大きく変えることは、ずばり顧客体験である。テクノロジーでどれだけ豊かな体験ができ、納得できるアイテム選びや、自分専用にカスタマイズした商品を、ネットでシームレスに購入できるか。また、ビューティテックをいち早く取り入れる企業のほとんどが、デジタルネイティブ世代を見すえている。彼らは、自分たちが欲しい情報や商品購入までをシームレスに、そして人と会話をかわすことなく手に入れたいと願っている。

2018年1月のCESに出展されたスマートミラーの「Hi Mirror」。詳細な肌分析による最適なスキンケアアドバイスがもらえるほか、ヴァーチャルメイクもできる。(撮影 公文紫都)

人の温かみとテクノロジーをうまく組み合わせた戦略

とはいえ、テクノロジーだけで顧客体験を最高に豊かにできるわけではないことも同時に考えていきたい。美容よりも少し早くから注目を集めていたファッションテックの分野では、ある事例がそのことを如実に物語っている。

AIで自分の好みの服選びをしてくれる米国のファッションECサブスクリプション(定期便)サービスのスティッチフィックス(Stitch Fix)が17年11月にナスダックに上場した。創業からわずか6年の快挙だ。AIという言葉ばかりにスポットがあたりがちだが、同社の成功ストーリーのうちAIはその一部であるにすぎない。

 

スティッチフィックスでは、顧客が入力したパーソナルデータに基づいてAIが選出したアイテムから最終的には人間であるパーソナルスタイリストが5着を選んで届けるという仕組みだ。商品には、パーソナルスタイリストの手書きのカードが入って送られてくる。気に入らなければ無料返送もできる。

同社の強みはAIというよりも、むしろ温かみのある顧客対応と、絶妙な価格設定だ。5着のうち、1着でも買えば20ドルかかるスタイリング料は無料になり、5着すべて買えばそこから25%オフだ。忙しい女性にとって、好みの範囲内ならなんとなく買ってしまおうという気持ちにさせる。

デジタルネイティブ世代も、直接会ってのコミュニケーションは苦手かもしれないが、温かみの感じられる人のサービスは受けたいに違いない。より顧客にとって素晴らしい体験を提供でき、それによってビジネスがさらに伸びていく。今後このコラムでもそのヒントになるようなトピックスを届けたいと考えている。

 

BeautyTech.jp編集部
矢野貴久子
https://beautytech.jp/

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国際商業 2018年3月号より転載

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PROFILE

170810矢野

Kikuko Yano

BeautyTech.jp編集部 

雑誌編集、ネットメディア立ち上げを経て、プロデューサーとして、さまざまなネットメディアの編集、デジタルマーケティングに関わる。
Beauty Tech.jpは、サイト立ち上げ準備からプロデューサーとして陣頭指揮を執っている。9歳の息子との戦いごっこで体力づくりの毎日。

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