STORIES istyle blog

TAG

閉じる

  • TOP
  • COLUMN
  • 【リサーチコラム】美容感度の高い男性の美容事情

COLUMN

【リサーチコラム】美容感度の高い男性の美容事情

March 3,2021

  • facebook
  • twitter
  • Google+
  • はてなブックマーク

アイスタイルには、「日本最大のコスメ・美容の総合サイト@cosme(アットコスメ)」の膨大なデータ群を分析し、マーケティングに活用する「リサーチチーム」があります。1600万件を超える膨大なクチコミはもちろん、アクセスデータや意識調査やインタビューを通して、消費者に触れ続けているリサーチチーム。そんな彼らの知見をご紹介します。

 

今回のテーマは、「@cosmeを利用する美容感度の高い男性メンバーの美容事情」です!

 

===========

はじめに

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、化粧品業界では暗いニュースが続く昨今ですが、メンズコスメに関して言えば、コロナによる影響も少なく、比較的堅調に推移しているカテゴリーの一つと言えるでしょう。そしてそれは決して一過性のものではなく、今後さらなる拡大が期待されます。

株式会社アイスタイル(以下 アイスタイル)ではこのほど、運営するサービス@cosmeのプロデュースメンバーである、15~59歳の男性172名を対象に、美容に関する調査を実施しました。

 

@cosmeにおける男性ユーザーの比率は低いため、日本の一般男性像と捉えることはできないでしょう。しかし、市場を牽引すると思われる美容への興味関心が高い@cosme男性メンバーの意識や行動を把握することが、メンズコスメ市場の今後の施策や方向性を検討するうえでのヒントとなり得るだろうと考えています。

 

ボディケア、スキンケア9割以上が使用/顔も髪も体もうるおいが大事

<スキンケアアイテム使用率>

はじめに、使用アイテムについてご紹介します。

普段スキンケアアイテムを使用している人は全体で9割強。年代による違いはみられるものの、最も使用率が低い50代においても8割弱が何かしらのスキンケアアイテムを使用しているという結果となりました。

 

「洗顔料」が最も高く、「化粧水」「リップクリーム」と続きます。特に20代以下の若年層では「ブースター」をはじめとする保湿系のアイテムの使用率が高く、保湿ケアへの意識の高さを感じさせます。

 

 

<ヘアケア・ボディケアアイテム使用率>

続いて、ヘアケア・ボディケアアイテムをみてみます。年代問わず、ほぼすべての人が使用しているという結果となりました。

 

若年層は、「洗い流す・流さない」ともに「ヘアトリートメント」の使用率が高い傾向がみられました。特に20代以下の若年層は「ヘアスタリング剤」と「洗い流さないトリートメント」の使用率が同等であり、顔同様に保湿ケアへの関心の高さが窺えます。

メンズ用のヘアケアアイテムというと、【頭皮のにおいや脂っぽさ】をケアできるアイテムを想起する人も少なくないのではないでしょうか。しかし、20代以下においては「頭皮ケア」アイテムの使用率も低く、頭皮の爽快感よりも、毛髪のうるおい感を求めているのかもしれません。
また、ボディケアも同様に「ボディクリーム」の使用率が高いのに対し、「デオドラント」の使用率が他の年代と比較し低く、これまでの男性像とは異なる印象を受けます。

 

続いて、肌に関する質問をもうひとつご紹介したいと思います。

「あなたは自分の肌が敏感だと思うか」を『そう思う~そう思わない』の5段階で尋ねたところ、全体の7割弱が「敏感だと思う」と回答しました。特に20代以下では3割以上がTop Boxの「そう思う」に反応しています。

 

前述の20代以下における保湿意識に対する高さは、こうした【自分お肌状態】を理解しての選択と言えるかもしれません。

肌をきれいに見せてくれるベースメイクは浸透の兆し、カラーアイテムは今後に期待

<メイクアイテム使用率>

普段メイクアイテムを使用している人は全体で5割強。年代による開きがスキンケア・ヘア・ボデイケアアイテムより大きく、最も使用率が高い20代以下では8割が何かしらのメイクアイテムを使用しているのに対し、50代は3割弱にとどまっています。

 

いずれの年代においても「日焼け止め」が最も高いという結果になりました。ベースメイクアイテムは30代以上では次いで、「化粧下地」が高いのに対し、20代以下では「BBクリーム」「ファンデーション」「ファイスパウダー・おしろい」が「化粧下地」の使用率を上回っています。

普段から、加工アプリを使用するなど肌補正することで印象が変化することを体感している人が多いというのも一因ではないでしょうか。色付きのベースメイクアイテムに対するハードルが低いものと推察されます。

 

特に「BBクリーム」は手軽さに加え、スキンケア効果の高さを売りとするアイテムということもあり、スキンケアの延長として入りやすいアイテムなのかもしれません。

 

一方、ポイントメイクアイテムの使用率は、20代以下においても「アイブロウ」3割、「アイライナー」「アイシャドウ」がそれぞれ2割強であり、「リップメイクアイテム」に関しては1割台とまだまだこれからといった印象を受けます。

 

昨今、女性向けの「アイシャドウ」や「口紅」のコミュニケーションとして、いかに【肌がきれいに見えるか】を伝える商品が人気の傾向があります。男性に向けてもそうしたメッセージが有効かもしれません。

 

また、約2割の人は「メイクアイテムを使用していることを、周囲に知られたくない」としています。人によってメイクをする意味も異なるであろうことを考えると、情報の細分化やコミュニケーションの丁寧さなどがこれまで以上に求められるのではないでしょうか。

「メンズコスメ」だからで選んでいない

次に、普段化粧品を購入する際に重視することを尋ねたところ、「効果が高い」「自分の肌に合っている」が各年代それぞれ5~7割台と高い結果となりました。

 

購入時に重視する上位3項目に、「メンズコスメ・男性用である」は見られませんでした。「メンズコスメ・男性用である」ことを重視する人は、全体で16.1%(18項目中9番目)であり、【メンズコスメ】というだけで選ばれやすくなるという訳ではないようです。

さらに、年代別にみてみると、若年層ほど「メンズコスメ・男性用である」ことを重視していないことが分かりました。(20代以下では18項目中12番目)

 

ただ、彼らは「メンズコスメ・男性化粧品でない」ことを意識しているという訳でもありません。つまり、女性向け・男性向けなど性別を意識せずにいいものを選択したいという気持であろうと捉えています。

数年後には「メンズコスメ市場」という概念すら変化しているかもしれません。

 

情報源は使用者の声/メンズコスメ拡大のカギは女性?

最後に、化粧品を購入する際に【参考にする情報源】についてご紹介いたします。

「@cosme」を除くと、若年層ほど「Instagram」「Youtube」「レビュー」をはじめとする生活者の意見を参考にする傾向がみられ、その比率は「サンプル」を上回りました。もちろんSNSの利用率の違いなどによるところも大きいですが、20代以下の若年層にとっては、まだ使用経験も浅く「サンプル」で試すだけでは評価できないのかもしれません。

 

 

では、どういった人の意見を参考にしているのでしょうか?

「性別」という軸で尋ねてみたところ、全体の6割弱が「特に性別は気にしていない」と回答しました。特に若年層でその傾向が強くみられています。また20代以下においては「同性」よりも「異性」の意見を参考にすることが多いという点も注目されます。

 

もちろん今回の調査対象者が、女性の意見が多く投稿されている「@cosme」を参考にする人たちである。という偏りは無視できません。ただ、現在世の中に溢れる化粧品の使用者の声の多くは「女性」のものであるということは事実です。一般の男性であっても、無意識のうちに女性の意見を参考にしているということはあるのではないでしょうか。

 

今後「メンズコスメ」がより選ばれるようになるためには、女性からの使用感想がカギを握るかもしれません。

@cosmeでは例えば『サクセス』など男性用の商品に対する、女性のクチコミも投稿されています。中には夫や息子、パートナーと共有するという声もあり、クチコミ内では「シェア」「男女兼用」というワードが伸長するなど、ともに楽しんでいる投稿も増えています。

(※)詳細は以下よりご確認ください。

「【リサーチコラム】 本当にくるのか メンズコスメ?!」


おわりに

よく、購入の決定者が女性だから、女性の気持ちを掴めと言う戦略も聞かれますが、たとえ購入決定者が男性であったとしても【女性にも認められる商品であること】が重要なのではないかと感じています。これからの「メンズコスメ市場」がどのような方向性となるのか楽しみにしたいと思います。

調査リリースはこちらから

今回取り上げていないデータや考察も掲載しています

https://www.istyle.co.jp/news/info/2021/02/0212-nl.html

 

調査概要

調査名称 :美容に関するアンケート

調査対象者:@cosmeプロデュースメンバー 男性15-59歳

調査地域 :全国

調査方法 :Web調査

調査時期 :2021年1月19日(火)~24日(日)

集計数  :172サンプル(各年代均等割り付け)

  • facebook
  • twitter
  • Google+
  • はてなブックマーク

ページトップへ