【同僚対談】”伝えるべきこと”と”届けるべき人”をつなげる
『ブランドオフィシャル』vol.1
August 21,2018
こんにちは!コーポレートコミュニケーション室の坂井です。
アイスタイルグループには、@cosmeのデータベースや仕組みを活用してブランドとユーザーをつなぐサービスを開発する事業と、生活者を起点に化粧品の企画・マーケティングをおこなう事業(グループ会社のアイメイカーズが担当)があります。
いま、この2つの事業が連携し、化粧品メーカーのマーケティング活動を支援するサービス「ブランドオフィシャル」を進化させる取り組みをおこなっています。
その渦中にいる2名に、インタビューをしました!
今回は第1回目として、「ブランドオフィシャル」誕生の背景、化粧品メーカーにとってどのような存在であるものなのか、対談の一部をご紹介します。
============================================
和田 直樹 (写真右)
アイスタイル BIDサービス開発部 マネージャー
コンサルティング会社にて主に化粧品メーカーへマーケティング支援をおこなった後、2016年アイスタイルに入社。化粧品メーカー向けのサービス企画・事業開発に従事。
田島 有希子 (写真左)
アイメイカーズ マーケティング部 部長
2007年に新卒でアイスタイルに入社し、EC事業、海外輸出事業、プラットフォーム企画に携わった後、現在のメーカー事業(アイメイカーズ)へ。
============================================
坂井:4月に化粧品メーカー向けのサービス「ブランドオフィシャル」がリリースされてから、ご利用いただいているブランドさまが増えてきていますね!
和田:そうですね。嬉しく思うのと同時に、ご利用いただいているブランドさまが導入してよかったと感じていただくために、これからが本番のフェーズだととらえています。
「商品の」プロモーションから「ブランドの」コミュニティづくりへ
坂井:もともと、どのような背景からこのサービスは生まれたのですか?
和田:最初にあったのはメーカーさまのマーケティング事情の変化です。
ご存知のとおり、ここ数年で爆発的に情報流通量が増え、メーカーさまにとっては思ったとおりに生活者にはメッセージを届けにくくなりました。
商品にしてもそうです。ここ数年で、商品のヒットが長続きしにくくなったり、狙った商品を確実にヒットさせるのが難しくなってきましたよね。
発売する商品の数は多いんですけれど、コモディティ化がどんどん進んでいます。
以前であれば商品を作った後に、例えばマスコミュニケーションと販路開拓を確実におこなっていくという、一定の勝ちパターンがありましたが、今はそうもいきません。
それでも商品を作っていかないとメーカーさまとしては売上が立ち行かない、しかも常に在庫と向き合いながら。
そんな中、各メーカーさまでもCRMとか、CDPとかで顧客の囲い込みをおこなうわけですけども、はっきりした打ち手がわからない、やっぱり一過性の商品プロモーションで終わってしまうと。
それが昨今「ファンベース」や「熱狂マーケティング」といった考え方に注目が集まっていることにつながるのかなとも思います。
ただ、なかなかこれもフィットしないメーカーさまもいらっしゃります。
僕がマーケティングの会社にいたときからですから、8年くらい前からですかね…そんなご相談をよく受けていました。
なぜか?と@cosme上のデータとも向き合ってみたときに、エンゲージメントのステップにおいて、予想以上にメーカーさまのコントロール可能な割合が減っていたことにも気づかされました。
ユーザーも発信者になった、メディア化したとか言われていますが、生活者は言語化しなくとも、無意識にいろいろな情報源をもとに意思決定しているんだと。
以前と比べるなら、生活者はブランド以上にブランドの価値づけを左右しています。たとえ少人数であっても、です。
であるならば、これからブランドとして愛され続けるためには、生活者を味方につける。で、「生活者と一緒に」ブランドのマーケティングをおこなう。
それは上から目線でファンになってもらおうとかではなく、まずは生活者にブランドがどうとらえられているのか、何を期待されているのか、生活者とコミュニティをつくるための示唆をお届けすることが最初と考えました。
で、@cosmeにはユーザーからの情報もブランドからの情報も両方ある。このみんなの集合知をマーケティングに活用いただいてみてはどうか?と思ったのが最初のきっかけです。
実現したいサービスは、「メーカーそれぞれにあった勝ちパターン」を提供すること
田島:つまり、ブランドの成長をどう支援できるか、から考えたんですね。しかも持続的に。
和田:はい。
あとはメーカーさまのマーケティング活動のうち、どの課題に対してどういう形でサービスを提供するかでした。
それはメッセージングだったり販売促進だったり分析だったり…方法論はさまざまにありますが、まず最初に実現したいと思ったことは、サービスのご利用を通じてメーカーさまがご自身の勝ちパターンを早期に発見できるようにしたいということです。
先ほどお話したことともつながりますが、メーカーさまのマーケティングソリューションも年々増えています。データもテクノロジーもどんどん進化している。
なのにこの数年間、メーカーさまは同じような問題意識をお持ちになっている。
きっと、提供すべきなのは何かの方法論ではなく、時代にあわせてメーカーさまが活動の手応えや良し悪しを判断しながら、
コミュニティを育てる示唆を得られる土壌を作ることなのだと考えました。
@cosmeにはビューティ分野において、商品やチャネル、生活者からの反応や購買データといったマーケティングに有効なデータがさまざまに蓄積されています。ECでの販売や情報発信といった仕組みも備えています。メーカーさまにとってのインプットとアウトプットが両方あります。
これをできるだけシンプルに、メーカーさまの時間軸にあわせて、ストレスなく「ブランドとして@cosmeにもご参加いただき、活動とフィードバックを通じてそれぞれのメーカーさまにとっての『勝ちパターン』を発見できる」のではないかと考え、ブランドオフィシャルとしてパッケージアウトしました。
複雑なマーケティングをシンプルに メーカー内で部門を越えた共通言語をつくる
坂井:時代とメーカーさまの課題の両方からアプローチの方法を考えたんですね!化粧品メーカーさまからはどのようなご利用をされているのでしょうか?
和田:ブランドさまがいつでもアクセスできる専用の管理画面を通じてご利用いただいているのですが、意図しない発見があった!というご意見をいただくことがありよかったなと思います。
具体的にはブランドに対してどのように言われているか、反響の高い商品と売り出したい商品のギャップを分析や仮説立てを経なくともお届けするようにしています。
ブランドからの情報発信についても、気軽にご参加いただけるように、ときには、すでに@cosmeに豊富にあるコンテンツを引用して情報を補足したり、ブランドに興味を持ちはじめたユーザーを中心に情報をお届けする仕組みを用意しています。熱量の高いファンと積極的に繋がり続けられるようなものです。
そして、次の日には結果を振り返られるように。実際にリアクションをいただいたブランドの活動をサマリーとしてお知らせし答え合わせ。繰り返しながらブランドならではの勝ちパターンを自然に生み出していけるようにしています。
田島:実際にメーカーの立場で活用してみると、どんなコンテンツや施策がユーザーさんに喜んでいただけるのか、その逆に、どんなコンテンツには関心を持っていただけないのか。様々なコミュニケーションを繰り返すことによって見えてきます。そうするとユーザーさんに対する理解が深まり、よりユーザーに喜んでいただけるコミュニケーションが出来るようになっていくのを感じますよ。
和田:また、日々多忙なメーカーさまのお仕事の中で、これら一連の活動をストレスなく行っていただけるとよいなと、可能な限りシンプルで素朴なインターフェースにしています。
またPRやコミュニケーションに関わるご担当者さま以外でも、メーカー内のみなさま、たとえば商品開発をご担当されている方や部門を統括されているマネージャーの方でも共通してみられるモニタリング指標を採用しています。
坂井:ブランドさまにとってのベストな活動がいろいろ見つかりそうですね!アイメイカーズでは先行してチャレンジしたということですよね?
田島:はい、リリース時から利用していました。いろいろな活動をして見えてきたこと、わかったことについて、これからお話しますね!
いかがでしょうか?
化粧品メーカー・ブランドのマーケティングに向き合ってきた2名だからこそ見えること、形にすべきと考えたことの一部を語っていただきました。
ブランドオフィシャルは2018年中にもバージョンアップを予定しているようで、今後化粧品メーカーのマーケティング活動のあり方をどう進化させていくのか、楽しみですね!
次回は「ブランドオフィシャル」を利用して、アイメイカーズがどのような取り組みをおこなってきたのか、その結果何がおこっているのかを具体的にお話しいただきます!ぜひご期待ください!