2020年6月期 通期 決算発表
August 19,2020
こんにちは。IR・CSR室です。
8月13日に2020年6月期通期決算並びに2021年6月期の計画を発表いたしました。
2020年6月期は創業以来初の前期比減収となりました。
株主の皆様にはご心配をお掛けし、大変申し訳なく思っております。
決算資料はこちらよりご覧いただけます。
※本記事はサマリーとして決算内容の一部を抜粋し記載しておりますので、
詳細につきましては、決算資料をご覧ください。
まずは通期の業績について、ご説明させていただきます。
■2020年6月期 通期決算概要
通期決算の業績概要がこちらになります。
売上高は新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の影響や、グローバル事業の不振により創業以来初の前期比減収となり、非常に厳しい結果になりました。Beauty Service事業における店舗の休業期間の短縮や、ECの躍進が起因し、5月8日に発表いたしました業績予想よりは上回る着地となりました。その他、海外子会社2社に対するのれんの減損等で36億円を出させていただいております。
■直近の運営サービスの状況
@cosmeの月間ユニークユーザー数がこちらになります。
これまで続けてまいりました対策や、検索エンジンのアルゴリズムの変更により、昨年の同水準まで回復いたしました。
今後もより多くのお客様にご利用いただけますよう、こちらの対策につきましては、引き続き尽力してまいります。
■2020年6月期の振り返り
ここからは、各セグメント毎にFY20の業績の振り返りをご説明させていただきます。
こちらが、FY20のサマリーとなります。
ブランドオフィシャルの着実な成長/ECの躍進/MAUの復調など、これまで進めてまいりました事業が上向きに転じる中で、新型コロナの影響をはじめ市場環境の変化によって状況が悪化した事業もございました。
セグメント毎の業績と期初計画の比較につきましては、以下になります。
期初計画と比較しますと、期初計画では売上高が390億円、営業利益がマイナス12億円、実績値が売上高306億円、営業利益がマイナス23億円と、グローバル事業の不調に加え、新型コロナの影響を非常に大きく受けました。
各セグメントにおける新型コロナの影響につきましては、以下よりご説明させていただきます。
【On Platform】
On Platform事業におきましては、第3四半期まで計画通りに推移しましたが、
新型コロナによる営業活動の停滞や、ブランドの予算の保守化などの影響を受け、第4四半期は計画に対してビハインドする結果となりました。
ですがオンラインでの営業活動だけでなく、オンラインを活用した新しいイベントなど、様々な形で営業活動やサービス開発を行い始めておりますので、FY21の第2四半期からこの成果が少しずつ見込まれる見通しです。
【Beauty Service】
こちらが、FY20下期の店舗の売上高推移になります。
4月以降、緊急事態宣言を受けてお店を休業せざるを得ない状況になりました。一部の地方店は営業しておりましたが、全体としては業績への影響は軽微でした。6月以降は徐々に通常営業に戻りつつありますが、まだまだ新型コロナの収束が先行き不透明な状況下で、新しい店舗のあり方・商品の売り方を模索する必要があると考えております。
こちらが、FY19以降のECの売上高推移になります。
スペシャルイベントを2019年の12月に実施しました。目標としては、1日で10億円という大きな目標を掲げておりましたが、そこに届くことができず非常に厳しい局面もありました。
しかし、そのイベントで新規顧客を獲得できたこともあり、第4四半期の成長に寄与した背景もあります。
また、ECが伸びた1つ大きな要因といたしましては、店頭でしか扱っていない化粧品を販売できたという点もございます。当社では店舗を運営していることにより、普段は店頭でしか扱えない商品の期間限定の販売許可をいただきました。当社とブランドとの信頼関係によって、このようなことが実現できたと感じております。
ECと店舗を合算した売上高推移は以下になります。
FY20はECが大きく伸び、結果として、このECと店舗を合算した当社の物販における販売力は大きく成長することができました。
【Global】
Global事業も新型コロナの影響で更に厳しい状況になりました。
上期のタイミングで中国越境EC・卸売における競争激化や、香港におけるデモがあり厳しい状況となりました。台湾においては中国側のビザ発給の停止等があり、中国本土からのインバウンドが消滅し、店舗をすべて撤退いたしました。1月以降少しずつ回復すると見込んでいた矢先、新型コロナの影響を受け、香港やタイにおいては更なる圧縮をせざるを得ない状況となりました。現在も更なる撤退・売却等も検討を視野に入れ、対策を検討しております。
こちらからは、今期の状況も踏まえた来期の事業方針についてご説明させていただきます。
■2021年6月期の事業方針
2021年6月期事業方針はこちらになります。今期は大きく3つの方針のもと、事業を進めてまいりたいと思います。
1点目は不採算事業の整理・撤退です。収益最大化に向けて事業の選択と集中を実施していきたいと考えております。
2点目はSaaS型ビジネス、ブランドオフィシャルの強化です。こちらは前期から引き続き当社のビジネスの中核として、拡大に向けて尽力いたします。
3点目はリアルとネットを連動した販売力の強化です。リアルとネットの両方の小売事業をしていることにより、当社の持つ販売力の強さが非常に明確になったと考えています。こちらを更に強化し、2点目のブランドオフィシャルとの連携を高めることで、当社のビューティープラットフォームを強くしていきたいと思います。
それぞれの事業方針の詳細は以下になります。
■不採算事業の整理・撤退
On Platform事業では、化粧品以外の領域であるサロン事業の撤退を決定いたしました。本来ならばビューティープラットフォームの一角とすべく先行投資し試行錯誤している最中でしたが、今のタイミングでは撤退せざるを得ない判断となりました。
Global事業においても、マレーシアのECサイトであるHERMOの譲渡先を模索しており、中国越境ECおよび海外の不採算店舗に関しても更なる縮小を検討しております。
■SaaS(ブランドオフィシャル)の強化
当社のビジネスはメディア・EC・店舗という三位一体のビジネスがコア事業となっております。
この生活者とブランドをつないでいるプラットフォームにおいて、広告サービスや販促サービスで収益をあげてまいりました。
こちらに広告・販促以外のマーケティング支援サービスとして、ブランドオフィシャルというユーザー行動を可視化し、化粧品ブランドにおけるマーケティングをより高度なものにするため、このサービスをリリースいたしました。このブランドオフィシャルを安定的な収益基盤とすべく更に注力をしてまいります。
■リアルとネットを連動した販売⼒強化
今回の新型コロナを受けて、投資家様・お取引先様などからは、今の状況ではリアルでの事業はリスクが高いのではないか。ECに集中したほうが良いのではないか、という意見をいただきました。
しかし、化粧品の市場規模から考えるとリアルの規模は依然として大きく、約95%がリアルで化粧品が購入されるという状況です。新型コロナによって、急激にネットの収益が伸びたと同時に、リアルでの商品体験の重要性を再認識をいたしました。
このリアルとネットを掛け合わせることによって、より高い収益性を実現し、今までにない小売のモデルを構築していくことが当社にとっては必須だと考えており、それが求められていることだとも思っております。
また、こちらが強くなることで、広告や販促、ブランドオフィシャルというSaaS型のビジネスの成長にもつながっていくと考えております。
上記の図のように今後とも生活者に、@cosmeをより使っていただき、そして小売であるECや店舗で購入していただく。ユーザー・ブランドの体験を強化することで主要KPI「コネクト」を伸ばし、収益拡大に向けて邁進してまいります。
■2021年6月期の計画
上期まで新型コロナの影響などで赤字を見込んでいるものの、事業の選択と集中により黒字化を目指していきたいと思います。そして、中期経営計画の500億円の目標売上高につきましては、先行きが不透明であるため、このタイミングでこの目標を取り下げていただき、まずは当社の事業の根幹を強くしていくことに集中していきたいと思っております。
注力事業であるブランドオフィシャルは、今期は300ブランドを目標としております。本来であれば、FY20で達成すべき目標値でしたが、新型コロナの影響による営業活動の停滞などの状況を鑑み、1年後ろ倒しさせていただき、達成に向けて邁進いたします。
未だ新型コロナの感染拡大は続いており、予断を許さない状況であることは変わりません。化粧品業界全体としても、今後の見通しがつかない状況下ではありますが、だからこそ当社ができることは多分にあると思っておりますので、そのようなことを見極めながら、FY21の業績を伸ばしていきたいと思っております。
■最後に
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回創業以来初の減収となり、株主様をはじめ、ご心配になられる方も多くいらっしゃるかと思います。
まだまだ新型コロナウイルスの収束には時間を要する中で、生活者やお取引先各社様の状況等を注視しながら柔軟に対応していきたいと思います。
非常に厳しい状況ではありますが、グループ一丸となって新型コロナウイルスの感染拡大防止に努め、お客様や従業員の安全を第一とし、業績を改善し、更なる発展に向けて尽力しておりますので、引き続きご理解・ご支援をいただけますと幸いです。